先週末から今週あたまにかけてマンハッタンを襲ったNYの歴史上最大ともいわれる大型台風Sandyの爪あとは、あれから数日経った今でも、まだ市内のいたるところに残っています
昨年の夏にマンハッタンを直撃した台風Irene(過去記事は、日米 大きな価値観のギャップ)のときは、地下鉄こそ1日半ほど止まったとはいえ、テレビ報道のわりに被害が大きくなかったので、私は今回の台風をかなり軽視していたのですが、いま自然の脅威を身をもって実感しています
日本でも大きく報道されているようですが、今回の台風でニューヨーク市だけでも停電は78万世帯。同時に水が出ない家庭も続出という事態にNYの電気ガス配給会社(東京でいうところの東京電力と東京ガスのような会社)Con Edisonのマンハッタン内にある施設は爆発して大炎上停電の影響で、マンハッタンは39丁目以南は信号すらも電気を失い真っ暗で、まさにゴーストタウンと化してしまいました
何も写っていない写真のように見えますが、これは停電のMurray hill。普段は住宅やレストランが立ち並び、夜でもにぎやかなエリアです。
私の家は電気も水も途切れることなく普段とほとんど変わらない暮らしができているのは、奇跡のようです。冬の訪れを感じさせるほど朝夕の冷え込みも激しくなったNYの街の人が、早く元通りの生活に戻れることを願ってやみません。
今回の台風は、コンクリートに埋められた大木までもを、コンクリートごとはがしてなぎ倒してしまうほど強力なものでした。台風が通過したのは皆が寝静まった頃のことで、どれほど強い雨と風だったのかは分かりませんが、いくつもの大木が道をふさいでいる状況を見て、ただただ驚いています。
日本のようにインフラがしっかりしていないNYの街は、地下鉄もマンハッタンの下半分(34丁目以下)は依然運休し、隣の区ブルックリンとマンハッタンを結ぶ交通手段はバスしかないという状況です。それでも、不眠不休で復旧作業にあたる市の職員たち、そして何事もなかったかのように、ふつうに出社していく人たちを見ていると、ニューヨーカーの底知れぬパワーを感じます
13年前、初めて旅行でこの街を訪れたとき、街全体からあふれるパワーに圧倒され、そんなパワーに引き寄せられるようにしてこの街に住み始めて3年ちょっと。やはり、NYの街には見えないエネルギーがみなぎっているような気がします。