NYで異文化体験

ひょんなことからJewish Week

アメリカの中でもNYは特殊な場所だと考えられていて、ここはアメリカではない、とすら言われることもあります。なぜなら、ここNYには世界中の人々が集結していて、いわば「世界の縮図」のような状態だからです。

私が出会った人々の国籍も、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、中南米、オセアニア、中東と全世界の地域を網羅しています。

住む場所は変わっても、私が毎日日本食を食べて暮らしているように、みんなそれぞれ自分の国の文化や習慣を大切にしながら暮らしています。

その最たるものは、宗教でしょう。

ほぼ無宗教の日本人からは想像もつきませんが、宗教を信じる力とは、何にも変えがたく強いものなのです。

こちらではクリスチャンやイスラム教徒の人に出会うのは簡単ですが、ユダヤ人に出会うのはなかなか難しいです。街で見かけることは会っても、友達になるのはなかなか至難の業だと思います。

ユダヤ人は、宗教上のルールも厳しく、独自のソサエティーでかたまる傾向があるからです。

世界中の女の子をとりこにしているSex and the cityでは、シャーロットが選んだ結婚相手がユダヤ教徒で、クリスマスをお祝いできなくなったり(ユダヤ人は代わりにハヌカというお祝いをします)、その他様々なユダヤ教の掟に従わなければいけなくなったシャーロットが、動揺する場面がありました。

シャーロットとハリー

ユダヤ教は決まりごとが多いので、そうでない人がこの世界に入るのはとても大変なことなのです。

NYではいよいよ映画2が公開1週間前となり、街中に広告があふれています。

でも、せっかくNYにいるんだし、ユダヤ教のことを知りたいなーと思いつつもユダヤ人になかなか出会わないなぁ、と友達に話したら、ユダヤ人の知り合いいるから、ってごはんに誘ってくれました。

宗教ってプライベートなことでもあるから、相手が話題にしてこない限り、聞くのも失礼だと思って、ふつうにごはんを食べていたのですが、私が興味あることに気を使ってくれた友達が、その知り合いの人に、「そういえばJewishだったよね?」って話題をふってくれて、向こうも「そうだよー」って普通に返してくれたので、差し障りがない程度にちょっと質問してみました。

そして、その2日後、日系カフェで辞書片手に英字新聞の解読を試みていた私の隣に座っていた人が、「英語の勉強しているの?」と話しかけてきました。(日本では、カフェで知らない人と会話するなんて考えられませんが、こちらではナンパ目的とかではなく、知らない人と簡単な会話することは普通に見られる光景です。)

「そうだよー。」といってちょっと会話していたら、相手の名前はJoshというそうで、「そういえば、私の前の会社にもJoshっていう上司がいたよ。」というと、「その人、ユダヤ人?」といきなり聞かれて、「ううん、違うと思う。」と答えたのですが、「ということは、あなたはユダヤ人?」と聞くと、「そう。」と返事が返ってきました。

ユダヤ人に会った2日後にまたユダヤ人に出会うとはなんとも偶然、とビックリしつつ、知らないユダヤ人だったら、色々聞いちゃってもいいかなーと思い、質問すると、

・ユダヤ教徒は豚肉、エビを食べてはいけないだけでなく、肉と牛乳を一緒に食べてはいけないこととか

・ユダヤ教徒は3グループに分かれて、毎週教会へ通い、外出時でも常に頭に帽子のようなものを乗せているのは、一番厳格なOrthodoxと呼ばれるグループだけだということとか

・ヨーロッパで迫害されてアメリカ等へ逃げたときに、日本へ逃げた人々もいて、日本が好意的に受け入れてくれたので、ユダヤ人は日本に好印象をもっている話とか

・ユダヤ人は過去の歴史から、生きていくためには教育が重要だと考えていて、医者や弁護士を目指す人が多く、アメリカにいるユダヤ人もそういう人が多いこととか

・アメリカで、他の国からの移民よりもユダヤ系移民が力を持っているのは、どの移民よりも早くに移住し、しかも他の移民と違って家族全員でアメリカへ渡り、母国へ戻るという選択肢がなかった(戻る場所がなかった)ため、アメリカで生き残るために必死に働いたから(最初はデリの経営からスタート。いまでも、NYのデリはユダヤ人の経営者が多いです。)だとか

・アメリカで参政権を持っているユダヤ人たちが、投票するときに一番重視するのは、パレスチナに対する政策であることとか

・そういう点から考えると、オバマ大統領の人柄や様々な施策は評価できるけれども、イスラエルに好意的であるという点で、ユダヤ人からするとa confusing personであるということとか

を教えてくれました。

世界には、日本では考えもしなかったような生活習慣で同じ今という時を生きている人たちがたくさんいて、そして、日本で考えられていることとは全然違う価値観や宗教観に基づいて暮らしている人たちが多くいて、そうした世界を知ろうと思うと、時間はいくらあっても足りないな~、なんて思う毎日です。


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