また、みんなが「きちんと」している日本と違い、色々な人がいるので、仕事上で頼んでいたことでも、社内外を問わず、忘れられてしまうことも、ごくごく普通にあります。
日本で、日本人としか仕事をしたことがなかった時、仕事上でのメールの返信を相手が忘れてしまうことがある、という発想は皆無だったので、こうしたことがある、ということを知るまでに、渡米してから2年少しかかりました。
しかし、振り返ってみると、その兆候はNYへの渡米準備をしていた頃から始まっていました。最初に通おうと決めた語学学校のビザ手続きを担当している人からの返信はたまに忘れられていて、その当時は全く状況が分からず、ただただ腹を立てていました。
渡米から2年後に、米系の会社で働き始めた頃、仕事でお客さんにお願いした資料が何日経っても出て来ず、仕事が全然進まなくて困ったことがあったのですが、その時にも、相手が忘れているという発想にはならず、いつか来るだろうと思って、しばらく待ち続けていました。
そして、しびれを切らしてアメリカ人の同僚にその話をしたところ、「それって相手が忘れているかもしれないから、もう1回聞いてみた方がいいよ。」と言われて、ただただ唖然としたのです。
日本では、「相手が忘れる」ということはまず想定されていないので、一度お願いしたことを、数日後に、今どうなっていますか、と尋ねるのは、相手を急かしているようで、失礼にあたると思います。
しかし、アメリカでは、仕事上で数日経っても返事がなければ、まず忘れられていると思って間違いないです。
そのため、当初送ったメールに重ねる形で、もう一度メールを送って、相手に様子を聞いてみることは、自分から行う必要があるのです。
その時のポイントは、メールのタイトルです。
タイトルを当初のメールのままにしていると、Re:xxxxxという形になるだけで、多くのメールの中に埋もれてしまいます。
そこで、タイトルを xxxxxと変えるのです。
このfollow-upというのは魔法の言葉で、こうすることで、確実に数時間以内に返事が来ます。
follow-upと一語で、相手に緊急度、かつ、過去にお願いしていたことです、ということが伝わるので、相手も、返事を忘れてしまっていたことを申し訳なく思って、すぐに返事をくれるのです。
メールの本文は、例えばこんな感じにします。
Hi Mike,
I just wanted to follow up with you on my below email. Can you please take a look at it at your earliest convenience?
Thank you,
white cat
訳:
マイクさん、
下記メールの状況を確認したかったのですが、できるだけ早くそのメールを見てもらえませんか。
よろしくお願いします。
white cat
on my below emailとしているのは、元々送ったメールに重ねて書いているメールだからですが、そうではなく、例えば口頭でお願いしていたことの督促であれば、on my below emailの代わりに、on xxxxx でxxxxにお願いしていたものを入れます。
ここでのonは、xxxについて、という意味です。
メールの重要度機能を使うという考え方もあるかもしれませんが、重要度として送信されるメールはあまりないので、そこまでするとやり過ぎかもしれません。
そこで、follow-upをタイトルに入れるのは、とても有効な手段だと思います。
面白いことに、アメリカ人は物忘れが激しいことを自覚しているせいか、follow-upをしても、嫌な顔をする人はいません。
逆に、follow-upしてくれてありがとう、とか、follow-upさせてしまってすみません、といった感じになり、何日も来なかったメールの返事が来るのです。
所変われば事情は異なり、こうした文化の違いはとても面白いです。
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