日本の外から日本を眺めてみると、皆と同じであることを好み、何でも他人と横並びにしようとする日本の社会は、ある意味少し共産主義的のような気がします。
会社でも、頑張っていても頑張っていなくても、お給料がほとんど変わらない、なんていうことは、日本ではありがちですが、アメリカでは考えられません。
幻想的な夜のブライアントパーク。
アメリカ人は、ネイティブインディアン以外は、元をたどれば、他の国からの移住者たち。色々な背景の人たちがいるので、表面上は、人種差別や男女差別等、その人のバックグラウンドを根拠とした差別はないように装っています。
でも、白人の一部の層に、アメリカ中の富が集中しているとして、2011年には、貧困層の人たちを中心に、"Occupy Wall Street"と呼ばれる運動が起き、富が最も集中する原因となっているウォール街にある公園を陣取った大きなデモが起きました。
今まで溜りに溜まっていた不満が爆発したのです。
この運動は、その後は自然と収束しましたが、だからといって、この根本的な問題が解決したわけではありません。
面白いことに、アメリカでは、自然と階層別(育ちや生活水準ごと)に住み分けがされています。
例えば、日本であれば、普通のサラリーマンから学生まで、マクドナルドのハンバーガーを食べることはあると思いますが、アメリカで、マックに行くのは、貧困層に限ったことで、普通の人が行くことはありません。こうして、生活水準の違いによって、自然と行動範囲も異なってくるので、日本より極端な貧富の差があっても、お金持ちの人とそうでない人が日常生活で交わる場面は、アメリカでは、ほぼないのではないでしょうか。唯一といっても良いのは、飛行機だと思います。ニューヨークでは、本当にハイクラスの人たちは、通勤も車やタクシーで地下鉄に乗ることは少ないですし、逆に貧乏な人は地下鉄に乗りませんので(地下鉄の駅で、切符を飼うためのお金を募っている人を頻繁に見かけます。)、電車に乗っている人のほとんどが中産階級です。
アメリカの地下鉄にこんな人がいるのも日常茶飯事。言えば、無料でハグしてくれるそうですが、果たして何人が頼んだのでしょうか。
アメリカの国内線で、私が奥のエコノミー席に進むときには、既にビジネスクラスの人たちは席について優雅に飲み物飲んだりして寛いでいますが、彼らの外見やオーラに私はいつも驚いていて、思わずじっくり見てしまったりしています。教科書から出てきたような絵に描いたようなビジネスマンやビジネスウーマンたちなのです。ブランド物をたくさん身につけているとかいうわけではなく、きちんとした服を身にまとい、そのきちんと感が、プロフェッショナルオーラとなって、他人にも伝わってきます。きっと会社でかなりの高い地位にいて、色々な意味でその会社の顔となる人たちなんだろうな、と思わずにはいられない人ばかりです。年齢や人種を問わず、まぶしいばかりのオーラを放った人たちなのです。
国際線であれば、お金持ちの普通の旅行客もビジネスクラスのような良い席に座っているので、この法則は当てはまりませんが、アメリカの一流の国内線(デルタやアメリカン、ユナイテッド)でビジネス需要の多い路線の場合(NYとボストン間、NYとヒューストン間など)では、この法則は間違いなく当てはまっていますので、そうした路線に乗る機会がありましたら、ぜひビジネスクラスの人たちを観察してみてください。