アメリカ生活には、様々な困難がつきまといます。
ニューヨーク生活も9年目に入ったので、最近では、困難と思うようなことに遭遇することはほとんどなくなりました。
色々な問題への対処の仕方が分かってきたり、英語で相手と同じ目線で会話ができるようになってきたりしたことで、渡米初期の頃であれば困難と思っていたことも、’そうではなくなってきたのです。
アメリカ生活での大変なことは、人によって形は違えど、誰にでも必ず、大小様々な形で訪れていて、そうしたことを乗り越える体力と運を持ち得て、’かつ、アメリカが好きな人が、最終的には、アメリカに残り続けていくのだと思いますが、その時に私が大切だと思っているのは、「自分を信じる」ことです。
慣れ親しんだ日本でも、受験や就職といった大きな転機はありますが、アメリカに来てからほど、「自分を信じる」ということの大切さを実感したことはありません。
ウィリアムズバーグの人気ホテル、Wythe hotelのホットケーキ。
「自分を信じる」とは、「自分の直感を信じること」と「自分の選択を信じること」だと私は思っています。
「自分の直感を信じること」とは、具体的には、直感的にこれだと思ったことには飛びつくことだったり、逆に、直感的におかしいと思ったことや人からは遠ざかることです。直感的に面白そうだと思ったイベントに、たまたま一緒に行く友人が見つからなくて思い切って一人で参加してみたら、そこで今でも親しく交流が続いている友人たちとの輪ができ、さらには、今では私のニューヨーク生活は成り立たないほどに大切な友人たちとの出会いへとつながっていきました。その反対で、渡米当初、まだ友達が少ないでしょうから友人を紹介したいので、とある方に誘われて行ったイベントがネットワークビジネスの勧誘の場であったこともありました。その時は、その方と最初に話をしたときには、すごくおかしいとまで思わなかったので、イベントにまで連れ込まれてしまいましたが、その後のニューヨーク生活では、話していて直感的におかしいと思った時にはその相手からはうまく身をひいて次に誘われないように、という勘を働かせています。私の友人で、ニューヨーク生活がまだ短く、そのへんの立ち回りがまだできなくて、かなり精神的に疲弊してしまったことがある、と話している子がいましたが、ニューヨークでは、経験に基づいて、直感を働かせることが、とても重要です。私は特別な能力があるわけではありませんが、やはり心身健康でいるとそうした直感も磨かれると思って、規則正しい生活や食生活には気をつけています。
ウィリアムズバーグには、こんな街角アートがあちこちにあります。
そして、「自分の選択を信じること」ですが、何か問題があったときに、結局誰も責任はとってくれず、最終的に頼れるのは自分しかいないので、自分が選んだことに自信を持つことは、とても大切だと思います。ただ、自分の選択を信じるには、信じられるだけの根拠が必要で、そのためには、色々行動したり、調べたり、勉強したり、といった地道な努力が不可欠で、そうした積み重ねが、自分の選択を根底から支えてくれることになります。私はアメリカで既に2回も転職していますが、その転職は全て、自分の選択を信じることで行なってきて、今でも、タイミングや転職先も含めて、その選択はベストだったと思っています。私にとって、アメリカでグリーンカードを取得することとアメリカ人社会でビジネスができる人になることが、渡米当初の最大の目標だったので、転職は、その目標に近づくことを最優先にして決めました。面白いもので、自分と縁が合うものは不思議と話がとんとん拍子に進んで、私の2度の転職は、幸いとてもスムーズでした。その逆で、自分に縁がないことにこだわっていたこともあり、そのこだわっているという選択をしている自分に自信がなかったものの、こだわり続けて疲れてしまうことも経験しました。でも、後から考えれば、その選択をしている自分に自信がなかったからこそ、自分には縁がなかったことなのだと思います。
自分を信じる能力が高い人のことを英語では、self esteemが高い人と表現しますが、謙遜の文化で育った日本人には低い人が多いself esteemを高く保つことは、アメリカ生活でとても大切なポイントです。