アメリカと日本には、大小さまざまな文化や価値観の違いがあります。
これらの違いは思った以上に大きく、たとえ長年こちらへ住んだとしても、完全にこちらの考え方に染まることはきっとないのではないかと思います。
ただ、アメリカの人々は、日本にはないアメリカの文化や価値観に基づいて動いているので、それらを受け入れることはできなくても、知っていないと、いろいろとビックリすることに遭遇することも確かです。
そこで、アメリカ生活を送る上で知っておきたいことを、このブログで少しずつ紹介していけたらと思い、新テーマ「アメリカ生活SOS」を作ってみました。
第1回目のテーマは、きっと一番大きな違いだと思われるこの話題から。
「目標達成型思考」
アメリカ型思考:目標(仕事、プライベートともに)は何があろうとも達成しようとする=その目標達成のためなら、手段を問わない=極端な話、自分の目標が達成できれば、誰かに迷惑がかかったり、誰かを傷つけたりすることになってもかまわない
日本型思考:目標は達成できたほうが良いけれど、達成できなくてもそれなりに充実感はある=目標達成に至る過程を重視する=どんなときでも、周りの人との協調、他人への気配りを忘れない
要約すると、こんな感じになるのですが、もっと具体的に考えてみると、
たとえば、A社がある製品Pの発注を考えてB社とコンタクトをとり、具体的に話が進んでいていざ正式に注文、という段階になって、さらに良い条件で同じ製品を販売してくれるC社が現れて、C社との契約に切り替えようと思ったとき。
A社の担当者の対応は、こんな風に異なってきます。
日本型思考:B社担当者と何度も連絡をとり、B社担当者に色々お世話になってきたから、まずはB社担当者へ丁寧に断りの連絡をしてから、C社へ注文を入れる。
アメリカ型思考:結局、最終的に注文を入れるのはC社だから、B社との連絡は一方的に絶ち、C社との契約に移る。
この行動の違いを生み出しているのは、「目標達成型思考」か否かです。
アメリカ型発想に基づくと、自分の目標(良い条件で製品Pを購入する)達成のためだけが視野に入っているので、そのために、もう関係がなくなった(必要でなくなった)B社へ連絡を入れることはしなくてもOKなのです。
これって、日本人の感覚からすると、ちょっと冷たいとか失礼、と思ってしまいますが、アメリカではふつうに行われていることなのです。
アメリカ以外の国で育ち、異なる文化や価値観をもった人たちから見たアメリカ像は、話し出すと止まらないぐらいにネタがあふれていますが、特にこの話題は掘り下げて考えていくと、まだまだ奥が深いです。
そして、日本では納得がいかない、と思われているアメリカのあれこれも、こういうことだったんだ、と思うことにつながっていきます。
この目標達成型思考、明日は別の角度から考えていきたいと思います。