毎年春には5番街(ブランド店が立ち並ぶおしゃれな通り)を封鎖して行われるゲイパレードもあるように、ニューヨークはゲイに寛容な都市だと思うのですが、それでもアンチゲイがたくさんいることも事実
そのため、自然とゲイたちは安住の場を求めて、特定のエリアに集まるようになり、そしてチェルシーのようにゲイが集う場所として有名なエリアも形成されていったのでしょう
今年のゲイパレードの様子 良い場所をゲットするのが難しいほどに、どこまでも続く道沿いは観客だらけ。盛り上がっているのは、参加しているゲイ&レズビアンの人たちだけではありません
この記事は前回の記事の続きなので、前回分がまだの方はこちらからどうぞ これで私もReal New Yorker?!
普通のバーでもゲイカップルを見かけることはNYでは驚くべきことではないのですが、男友達は、ゲイカップルが男女のカップルと同じように親しげに抱擁していたり、手をつないで歩いているところを見て、よく「気持ち悪い」とコメントします。しかし、たまたま同姓を好きになるという特徴があるだけで、彼らだって普通の人なのに、と私は思うのですが、女性と男性ではゲイへの捉え方もまた違うようです。また、ゲイの人々への感情には、宗教的バックグラウンドなどさまざまな要素も絡んでくるので、自由の国アメリカですら、同性愛者が自由に暮らすことはとても大変な状況です
しかし、ゲイバーで、普通のカップル以上に熱い時間を過ごす彼らを見ていると、気持ち悪い等と差別することは、人道的観点からも許されないのではないか、という思いをさらに強くしました
3人で各国のゲイ事情等についてひとしきり盛り上がったころに私はトイレに行くために席を後にしました。
セクシーなゲイの店員さんに言われた場所に行くと、そこには大きなトイレの扉が
しかし、その扉には不思議なマークが描かれていました。人が盾を持っているようなシルエット男性用とも女性用ともとれないマークに一瞬戸惑ったのですが、ここ以外にトイレらしき扉はなかったので、とりあえず入ってみると、洗面台で手を洗っているのは男性たち
「間違えちゃった」と思い、あわててその場を後にして反対側に女子トイレを探しに行って、暗い店内をうろうろしていると、そんな私を見かけた男性が「トイレあっちだよ。」と指差した先は、なんと私がちょっと前に間違えて足を踏み入れた場所でした
そのとき初めて、ゲイバーにはトイレがひとつしかないことに気づいたのです
恐る恐る中へ入ると、通常の女子トイレのように完全に個室に分かれているので、ちょっと一安心しかし、洗面台で私の両隣に立っているのは男性というのはなんともおかしな光景です。しかし、彼らは全く気にしていない様子なので、私も平静を装ってその場を後にしました
テーブルへ戻ると、私がゲイバー初体験と知っているので、友達が「大丈夫だった?」と声をかけてくれました。どうやら、世の中のゲイバーはどこもトイレがひとつしかないとのこと
「びっくりしたよー」と一部始終を話すと、「人を男か女かで区別しちゃいけないっていう発想から、ゲイバーのトイレはひとつなんだよ。」と教えてくれました。
ちょうどハロウィン前の夜ということもあり、レディガガのマネをしたゲイの店員さんが店内を歩いたり、そして時にはダンスショーを見せてくれたり、と大盛り上がり
こうして、私のゲイバー初体験の夜はあっという間に更けていきました
私はゲイやレズビアンに対して極めてリベラル派なのですが、どうしてそうなったのか、またゲイにまつわる話題やニュースは山ほどあるので、時を追って少しずつ紹介していきたいと思います。