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コロナ下での人間関係のあれこれ

ニューヨークはここ数週間の間に、今までの成果が実り、コロナの感染者は順調に減少しています。用心には用心を重ね、レストランやカフェでの店内飲食はいまだに再開の見通しが立っていません。レストラン経営者にとっては頭の痛い問題と思いますが、毎日30度を超える猛暑の中、ニューヨーカーたちはSocial distancingに気をつけながら、太陽の光を浴びて食事を楽しんでいます。

老舗バーの屋外ダイニング。現在、臨時の法律ができ、一定の条件のもとで、道路に席を出すことが可能です。このお店も、左側の赤いパラソルは道路に作られた席のものです。

コロナ下では、生活だけでなく、価値観、生き方など、あらゆる方面で変化が起こった人が多いことでしょう。ニューヨークでは、その中でも如実なものの一つが、人間関係ではないかと思います。

外出自粛「要請」ではなく、用事がない限り外出してはいけない、という状態が何ヶ月も続いたために、友人たちと会えない日々が思いがけず長く続いていました。そうすると、連絡は電話かテキストメッセージのみ。会えないと分かっている中ででも連絡を取り合う友人は自分にとって大切な人達であることは間違いありません。私は頻度は様々ですが、10人ぐらいの友人達と連絡を取り合っています。

ロックダウンが始まったばかりの3月後半、そして自宅隔離生活のリズムも掴めない中での4月は、朝からグループチャットでいろいろなことを語り合ったり、YouTubeのオススメのリンクをシェアしあったりなんてことを頻繁にしていました。昔から特殊な才能に溢れ、ついにインスタライブデビューを果たした友人もいます。

経済が少しずつ再開され、法的にも友人たちと外出しても問題なくなった今、強く感じるのは、友人たちとの距離感です。

私は、自分自身、無駄な外出はせずに気をつけて生活していますし、親しい友人たちもそのようにして常識的な行動をしていることを知っているので、友人たちとアウトドアダイニングに行ったり、公園で会ったりすることに抵抗はありません。ただ、こうした感覚は人それぞれ。友人の中には、郊外に住んでいてマンハッタンまでの電車には絶対に乗りたくないからと、いまだに電話とテキストでしか連絡が取れない人もいますし、公園で会うのはいいけれど、レストランに行くのはまだ抵抗がある、という人もいます。相手がより厳しい基準を持っていた場合、それに合わせるのが折衷案となります。

ブルックリンのグリーンポイントはポーランド移民が多く、本場さながらのポーランド料理が食べられるレストランもちらほら。北国ポーランドは、身体の芯に響くボリューム溢れる料理で知られています。こちらの巨大なスープはなんと前菜!

一般的に年齢が高めの友人ほどハードルは上がりますが、こればかりは話してみないと分かりません。でも、その加減はなかなか難しいです。

週末、セントラルパークは大賑わい。

私と感覚がほぼ同じ友人Aさんと、公園ならOKという友人Bさんの3人で会っていた時のこと。私とAさんが遊びに行った時の話をBさんにしたところ、「えっ、そんなことしたの?」(ロックダウンが解除された後なので、法的に問題はありません)と言われ、それ以来、私とAさんは、公園で会う時以外はBさん抜きで外出しています。

Bさんは親しい友人なので、こうして話す機会があり、彼女の考えも知ることができたので良かったですが、そうではない友人との間では、相手の許容度が分からないので、結局連絡を取りづらく、しばらく会っていません。相手も同じようなことを考えていることでしょう。

地域住民に惜しまれながら、コロナが始まってすぐに廃館してしまった映画館。通常は上映中の映画を表示しているボードに、今は、"See you on the other side." (またあの世で会いましょう、という粋なメッセージが。the other sideはあの世の隠語です。)

子供がいる友人によると、quarantine familyという言葉が生まれたそうです。quarantineは、隔離という意味です。この状況下で、他人との距離感が同じ感覚で、子供も交えて会える関係の家族同士をこのように言うそうです。

アメリカでもリモートワークは続いていて、その現象は日本より顕著かもしれません。年内はオフィスに戻らないだろう、と言っている友人もたくさんいますし、家賃がもったいないと、マンハッタンを離れる決断をした友人も。

長引くコロナ下で、今、生活様式だけでなく、価値観などいろいろなところで大きな変化が生まれています。


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