新大統領になってからたった2週間と思えないような数々の暴走に振り回され、日々大混乱のアメリカです。
グローバル化が進み、昔と違って何でも一国の中で完結する時代ではなくなったことや、アメリカという世界の中心と考えられている超大国の主による暴挙ということで、この混乱はアメリカ国内に留まらず、世界中に波及しています。
何かと注目を集めるトランプファミリーですが、娘のイヴァンカさんの旦那さんで、こちらも不動産で富豪となった一族出身のジャレード・クシュナー氏は、トランプ氏との結びつきも強く、政権のアドバイザリーチームのメンバーに、トランプファミリーから唯一入っています。
トランプ氏と同じ5番街のトランプタワーに構える住居は、イヴァンカさんと3人の子供達とともに、政治の中心、ワシントンDCに引っ越すために、最近売りに出し始めたようです。
ジャレード氏の人柄は、直接インタビューを聞いたことがないので詳しくは分かりませんが、義父とはいえ、自分勝手で非常識なトランプ氏を全面的にサポートしているところをみると、権力に弱い人なのかもしれません。
それに対して、トランプ政権から完全に一線を引いているトランプ氏の親族がいます。
それは、ジャレード氏の弟、ジョシュア・クシュナー氏。
日本ではまだあまり知られていないかもしれませんが、アメリカでは、先日のWomen's Marchの時に、ワシントンDCでの抗議現場を歩く様子(本人は、参加したのではなく、ただ見に行っただけと話しているそうで、確かに手ぶらで歩いている写真がネットに乗っていました。)がメディアに報道されたりと、それなりに知られた方でもあります。
また、アメリカを代表するおしゃれな下着メーカー、ビクトリアズ・シークレットのモデルも務めたことがあるスーパーモデルのカイリー・クロスが彼女ということでも広く知られています。
こちらがジョシュア氏と彼女のカイリー・クロス。
トランプファミリーの中で、トランプ氏と距離を置くなんてすごく勇気ある方だなぁと思ってちょっと調べてみたところ、イケメンで品のある雰囲気に加えて、興味深い経歴の持ち主でした。
お兄さんのジャレード氏と同様に、お父さんが積んだ巨額の寄付金のおかげでハーバード大学のMBAに通ったジョシュア氏ですが(日本ではコネ入学の有無について学校側が公表することはありませんが、巨額のお金がかかる学校経営のためにはまとまったお金が必要で、ジャレード氏とジョシュア氏のお父さんは、ジャレード氏のハーバード大学入学直後に$2.5 million = 2億５千万円の寄付金を大学に納めたことを告白しています！) 、コネ入学に甘んじることなく勉学に励み、卒業後は、ITやメディア系企業に投資を専門とするThrive Capitalという投資会社を経営しています。
また、2000年に入ってから生まれたミレニアムと呼ばれる若い世代向けに安価な健康保健商品を提供するために、共同経営という形で、Oscar Healthという会社も立ち上げました。(アメリカは国民皆保険ではないため、保健プランの選択は自己責任です。)
ジョシュア氏は長年民主党を支持していることで知られ、先日の選挙でどちらに投票したかは明らかにしていないものの、彼女であるカイリー・クロスは、不在者投票をした時の写真をインスタグラムに乗せ、#ImWithHerというハッシュタグを付けていたことから、ヒラリーさんに投票したことが確実で、ジョシュアさんもそうだったと言われています。
不在者投票を公開したカイリー・クロスのインスタグラムより。
オバマ政権の歴史に残る産物とも言われ、貧しい人や自営業者で会社の後ろ盾がない人たちへも安価な健康保険へ入る道を切り開いたオバマケアの一部を就任早々辞めてしまうと豪語している新大統領ですが、それにより、ジョシュア氏の事業、Oscar Healthも痛手を受けてしまう可能性があるようです。
トランプ一族とうまく一線を画しているジョシュア氏。マスコミやメディアの注目は相当なものだと思いますが、自分の信念に凛と立ち向かっている姿はとてもかっこいいと思います。
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