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世界一と評されるレストランが日本の商店とポップアップイベントを開催

食通の人であれば、コペンハーゲンにあるNomaというレストランのことを聞いたことがあるかもしれません。何度も世界一の称号を獲得し、世界中からの訪問客が絶えないそうです。季節の素材をつかったノルディック料理が楽しめるだけでなく、世界中の食材へのあくなき追及をしているレストランとしても有名です。

そんなNomaが2024年をもって現在の形態でのレストランを終わりにすると約1年前に発表した際には、アメリカのメディアでも驚きをもって報じられました。その理由について、Nomaのヘッドシェフは、ファインダイニング業界は変わらなければいけないと悟り、持続可能な新しいスタイルにしなければいけないと思ったため、とメディアに語ったようです。公式HPの発表によると、2025年からは、巨大なラボであるNoma3.0として生まれ変わり、テストキッチンの形態で様々な食材の研究を続けるほか、世界各地での旅を続けながら、そうした成果を共有できる新しい方法を模索するそうです。

レストランとしてオープンした当初から、季節に応じた世界中のローカルな食材を探求してきたNomaが2022年に始めたNoma Projectは、Nomaの創業当時からの想いを紡ぎ、2025年からのNoma3.0へと繋ぐ試みなのかもしれません。

4月14日から19日まで、Noma Project初の都市訪問ツアーとして選ばれたNY市で様々なイベントが行われました。サイン会やNYのレストランとの1日イベントなど、日替わりでのイベントが目白押し

そんなイベントの一つが、なんと、日本で明治初期から続く水産業者である尾粂(おくめ)とのコラボレーションによるポップアップでした。尾粂は、日本橋魚市場から続く築地市場で最も業歴の長い水産業者の一つで、現在は東京中央卸売市場で水産加工品を中心に扱っています。ニューヨークには、今一番勢いがあるとも言われているブルックリンの北、グリーンポイントというエリアに日系の複合スペースが数年前にオープンした際に、進出しました。出汁の試飲、だし素材を選んで自分独自の出汁パックが作れるカウンター、日本の食材の販売も行っている他、レストランも。

ここ数年の間に日本人がオーナーのお店が増えててLittle Japanとまで言われているグリーンポイント

 

尾粂とのポップアップでは、Nomaが注目している日本の出汁や発酵について、Noma Projectのシェフから説明があった後、それらを使った日本の定食形式でのテイスティングメニューがふるまわれました。

Noma ProjectのシェフKevin(左)と尾粂のマネージャー(右)

 

麹について解説するKevin。近年アメリカでは、発酵食品への注目が高まっています

テイスティングメニューとして当日出された尾粂の出汁を使ってNoma Projectが作った料理。味付けや食材の組み合わせ方にユニークさが見られました

最後のQ&Aセッションで、Kevinに、これ以外で今注目している日本の食材について聞いたところ、桜の塩漬けとGreen Riceという回答がありました。Green Riceは、愛知の業者と年間契約をして、定期的に供給してもらえる体制を築いたそうです。通常のお米とは違うものだそうですが、一体どんな食べ物なのでしょうか。日本人でも知らない食材に早くも目をつけて研究をしているのは、さすがNomaだと思いました。

Noma Projectの一環で様々な食品の展示や商品の販売も。瓶に入ったNomaオリジナルの出汁であるDashi RDXも売られていました

日本人は「うまみ」を感じられる繊細な舌を持っていると言われています。うまみに相当する英語はないため、"umami"と表現されていますが、アメリカの料理に「うまみ」はないのです。出汁はうまみの代表格。どんなに日本食通でも、昆布やかつおだしの風味を味わうことができる人は多くはないかもしれません。そんな中、世界中の人たちの注目を集めるNomaがだしのお店とコラボしてポップアップを開いたことは、日本食業界にとっても大きな出来事ではないかと思いました。

奥が尾粂のスペース。普段は食事も楽しめます

尾粂のだしコーナー。目の前に並んだ食材を自由に組み合わせたオリジナルのだしパックを作ることができます

 

☆Dashi Okume
50 Norman avenue Brooklyn
https://okume.us/pages/store


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