アメリカへ旅行で遊びに行ったり、短期の出張で行ったりしたときには、この国に「住む」ということが、どんなに大変なことかはあまり気づかないかもしれません
アメリカンドリームという言葉に象徴されるように、世界中から夢を追い求めてやってくる人々を受け入れているアメリカのはずなのに、「住む」ことが難しいというのは、なんとも逆説的ですが、この国に移民として住んでいる人たちで、この問題に直面したことがない人はいないでしょう
日本人で集まったときに、特に初対面の人と必ず話題になることがいくつかあるのですが、その1つがこの問題。「ビザ」
どんなビザでいるのか、いつそのビザを取得したのか、このビザはいつまで有効なのか、有効期限が切れた後にどうするのか、会社はビザに理解があるか・・・。
みんなそれぞれの人生ドラマがあり、それぞれ違った状況で、ビザの問題をかかえているか、もしくは過去にかかえていたことがあるので、この話題は話し出すと止まりません
なぜ大変なのかというと、ビザを入手するためには、その裏づけが必要だからです
つまり、なんとなくこの国にいたいからビザをください、と言っても、アメリカはビザを発行してくれないのです。
裏づけとは、なぜこの国にいることが必要であるのか、その思いをサポートしてくれる状態が整っているか、ということに尽きます
学生であれば、行く学校が決まり、勉強する期間が決まり、学校へ学費を支払わないと学生ビザ(F1)は得られません
現地採用の社会人であれば、働く会社が決まり、会社がビザの申請をサポートしてくれないと就労ビザ(H1B)は得られません
芸術家であれば、自分がアメリカである程度の活動を過去に行ってきて、今後も行うことが証明できないと芸術家ビザ(O)は得られません
このほかにも、就労形態に応じて、駐在員ビザ(L)、投資家ビザ(E)、ジャーナリストビザ(I)、研修生ビザ(J)と、さまざまなビザが用意されていますが、種類は違っても共通点はただひとつ
この国に残る必要があることを証明でき、それをサポートしてくれる会社や人がいて、アメリカ移民局にそれを認められる必要があるということ
この国に残りたいのに、残ることを可能とするビザが得られずに、仕方なく国を去る人の数は後を絶ちません
そのため、この国に滞在し続けたいと思う人たちが、喉から手が出るほどほしいのが、この国にほぼ無期限で滞在することを可能とする魔法のようなカード、「グリーンカード」
このカードを1度手に入れれば、空港でビザの質問攻めにあうこともないし、飛行場でも観光客とは別のアメリカ国民用ゲートをするりと通り抜けられるのです。市民権とは異なるので、選挙権はありませんが、ほぼアメリカ国民のように扱ってもらえます
このカードがどうしてそんなに特別なのかというと、お金では手に入れられないから
もし本当にこの世にサンタさんがいるのなら、今の私は間違いなくクリスマスプレゼントに、グリーンカードをお願いしているでしょう
街には早くもクリスマスの飾りつけが登場し始めています。
この時期は、外を歩くのは寒くても、あちこちのデコレーションに目を奪われます。今年も楽しいシーズンがやってきました
次回は、この魔法のカードの入手ルートを1つずつ検証していきたいと思います