今回はその続きで、リスニング力の具体的な鍛え方について考えてみたいと思います。
湯水のごとく英語を浴びればリスニング力がつく、ということが真実でないことは、アメリカ滞在年数とリスニング力が比例していないことからも明らかです。
一番大切なのは、「意識して聞く」、つまり、量より質なのです。
私が考える理想のリスニング学習は、
・どんな時でも、必ず字幕付きで英語を聞く(CDであれば、手元に英語の原文を置いた状態で聞く)
テレビ番組や映画を字幕付きで見ることで、聞き取れなかった単語を即座に把握することができます。そして、そうした単語は、その都度辞書を引いて、覚えていきます。具体的な場面と単語がセットで覚えられるので、単語の意味だけでなく、具体的な使い方や状況も分かり、実践的な単語力が身につきます。また、聞き取れない単語は、たとえ知っている単語であっても、たいていの場合、何度聞いても聞き取れない場合が多いので、そうした単語を把握するためにも、字幕が必要です。
・一言一句、正確に聞き取るようにする
細かい助詞なんて聞き取れなくても良い、と思われるかもしれませんが、私達が日本語のテレビを見ていて、細かい部分まで正確に聞き取れていることを考えると、正確な英語力を身に付けるためには、こうした細部にまで気を配る必要があると思います。また、こうした積み重ねは、ゆくゆくは、リスニング力だけでなく、ライティング力、スピーキング力の向上にもつながっていきます。
・良質なものを少しずつ
一度にたくさんの英語に触れると疲れてしまいますし、そんな時間もないと思います。また、効果的な英語学習の観点からも、たくさんの英語をただ流して聞いているのはおすすめできません。
テレビであれば、数十秒のものでも良いので1つのニュースだけ、映画やドラマであれば、最初は2,3分ずつに区切って、そこだけ、自分が100%聞き取れるようになるまで、何十回と繰り返し聞きます。
たったそれだけの量でいいの?と思われるかもしれませんが、短い場面だけでも、確実に消化しようと思うと、意外と知らない単語や交互表現が含まれていたり、知っているのに上手く聞き取れない箇所があったり、と吸収することがたくさんあるように思います。
これらの方法は、私が日本にいる時から試行錯誤していた方法に加えて、アメリカへ来て語学学校へ通ったり、自分で色々試したりしているうちに確立された、私なりの学習方法です。
もちろん、帰国子女や幼少時代の海外生活が長い人を除けば、普段接する機会が限られている異質の言語を学ぶので、これらの方法に慣れるまで、ある程度の時間がかかりますが、個人的には、かなり効果的な学習方法だと思っていて、今でもできるだけ実践しています。
そして、これらの方法を2,3年続けていくうちに、ある意外なことに気づきました!(続)