NYでドキドキの体験 NY散歩

5番街の高級デパート、Saks Fifth Avenueを支えるアーティスト集団

NYを訪れる人たちが必ず歩く5番街。そんな5番街の中心、ロックフェラーセンターの真向かい、そしてセントパトリック教会の南側に位置するのが、アメリカを代表する高級デパート、Saks Fifth Avenueです。

冬の風物詩ともなっているデパートの壁面全体を使った壮大なホリデーショーがお馴染みです。
NYでは冬の時期、各デパートが競うようにウインドウディプレイに力を入れてホリデーシーズンに華を添えていますが、Saks Fifth Avenueのホリデーシーズンのウインドウディスプレイは、毎年テーマ性があり、精巧な作りで特に人気です。

このブログでもその様子を何度かお伝えしてきましたが、特に、コロナで世の中が落ち込んでいる時に元気づけてくれた2020年のディスプレイは印象深かったです。

コロナを吹き飛ばす華やかさに包まれたホリデーシーズンのNY

私自身、2009年の渡米以来、毎年楽しみにしていると言っても過言ではないこのホリデーショーの制作チームに出会える日が来るなんて、一体誰が予想したでしょうか。

先日こちらのブログで紹介したAll WhiteなPartyの主催者、ながこさんのご紹介で、夢のような機会が実現しました。

Saks Fifth Avenueでは、デパートの正面ウインドを飾るウインドウディスプレイを一手に引き受けているチームが社内にあり、彼らがあの有名なホリデーショーとホリデーシーズンのウインドウディスプレイも手がけているのです。

彼らの制作現場はデパートの地下のスペース。普段は次々と変わるデパートのウインドウディスプレイの企画から制作に取り組んでいますが、それと並行してホリデーディプレイの準備は、なんと年初、つまりお披露目の11ヶ月前から始まるそうです。

こちらが制作チームのメンバー。日本のブログの記事のために取材させてくださいと話したら、みんな喜んであちこち見せてくれたり、お話を聞かせてくれたりしました。和気藹々とした和やかな職場の様子がこの写真からも伝わってくると思います。右から3人目がマネージャのMateoさん。個別にインタビューさせていただきました。

 

ホリデーショーの内容は毎年お披露目されるまでその内容は社内でも限られた人しか知らないそうです。そのため、今回は通常のウインドウディスプレイの取材をさせていただきました。

Saks Fifth Avenueのウインドウディスプレイは、取り扱いをしているブランドの商品を紹介やテレビや映画の宣伝を目的として、それぞれプロジェクトが組まれて制作が行われるそうです。ウインドウは一度に全部が変わるわけではなく、少しずつ取り替えが行われるため、チームもハードなスケジュールで動いています。

作業は完全な分業制。制作やペイントを行うプロダクションチーム、マネキンへの飾り付けを行うファッションチーム、そして作品に輝きを与える照明チーム。

私が訪問した時には、こちらのテーブルで制作チームが立体作品(写真真ん中手前)を一生懸命制作中でした。

用途に合わせてマネキンも使い分けるそうで、オフィス内には所狭しとマネキンが。

まだまだあるマネキンたち。これは多くのマネキンのほんの一部です。

オフィス内には様々な小物も。大きな制作物は、イーストリバーを渡ったお隣、ロングアイランドシティーの工場で大工さんたちが制作しているそうです。

 

以前、有名なファッション大学を卒業した友人が、こうしたお仕事を探していたことがあり、かなり競争率が激しいと聞いていました。NYを代表する大手デパート、Saks Fifth Avenueのチームはその中でも最高峰と言えるでしょう。マネージャーのMateoさんにチームメンバーに必要な要素を聞いてみたところ、クリエイティブであること、そして新しいことを吸収する能力が高い人、と話していました。彼自身、日々、独創的なメンバーたちと作品を作り上げる日々を楽しんでいるとエネルギッシュに話していたのが印象的でした。マネージャーとしての目標は、部下の成功と言います。自分のキャリアアップに熱心な人が特に多いこの街で、チームメンバー想いのMateoさんがいるからこそ、チームの統率がとれて素晴らしい作品を世に発表し続けられているのだと思います。

私が訪問した日は、一部のウインドウディスプレイの入れ替え前日。翌朝の営業前に設置が行われるということで、この日は一部のディスプレイが空になっていて、なんと、そのディスプレイ内にまで入れていただきました。1階のあるブランドショップのレジの横の鏡が扉になっていて、そこを開けるとこんな光景が!

ウインドウディスプレイ内から外を撮影。中から外ははっきり見えますが、ガラスの特殊加工で、外からは私が中にいる様子は全く見えないそうです。ウインドウを外からも完全に隠したい時には、写真に写っている黒い幕を下ろすそうです。

才能溢れるメンバーたちの叡智が結集。私が中に入らせていただいた空間は、こんなシックなディスプレイへと変身。長年照明チームに勤める男性は、NYの他のデパートと比べてSaks Fifth Avenueが一番エレガントなディスプレイを作っていたので、そのチームを志望したそうです。照明の醍醐味を聞いたところ、料理の味付けと同じでちょっとしたさじ加減にあるそうです。カメラの精度が悪くて反射してしまい、実際のイメージがお伝えしきれず残念な限りですが、今回照明にも注目してディスプレイを見て初めてその意味が分かりました。Saks Fifth Avenueに来られた際には、ぜひウインドウディスプレイにも注目していただけると嬉しいです。

デパート内部はポップな雰囲気。こうした色使いはニューヨークならでは。

高級ブランドばかりが入店しているので、ブランドごとの店舗にも高級感が漂います。

 

既に始まっている今年のホリデーショー。今年もお披露目は11月後半です。
なんと、お披露目直後にまた取材させていただけるそうですので、今年のホリデーショーの見どころなど色々お伺いしたいと胸を躍らせています。今年はどのような趣向で私たちを楽しませてくれるでしょうか。今から楽しみです。


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