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NYの穴場・おすすめの博物館

ニューヨーク観光で美術館や博物館というと、メトロポリタン美術館(通称MET)やMOMA等々、有名なところは数え上げればきりがありません。

私はガイドブックに必ず載っているようなこうした場所は一通り巡ったのですが、お恥ずかしながら、美術の知識がなさすぎて、いつも何を見たかよりも、その場所に行ったことに満足する、ということばかりでした。

そんな私がすっかり虜になり、今年は頻繁に通う予感がしたので、早速年間パスを買った博物館があります。それは、Tenement Museum。

美術よりも歴史が好き、という方や、NYが形作られてきた初期の頃の移民たちのことを知りたい、という方にぜひおすすめしたい博物館です。

夢を求めてNYへやって来た移民たちは、自由の女神があるリバティー島のすぐ隣にあるエリス島というところ(自由の女神へ行くチケットに必ず組み込まれている場所です)にあった移民局で審査を受け、マンハッタンの南側から次々に入居しました。そんな移民たちが住み着いていた下町が、今のロウアー・イーストサイドのあたりです。
Tenement Museumは、ロウアー・イーストサイドに現存するアパートをできるだけ当時のままの状態で保存し、一般公開しています。

通常の博物館との大きな違いは、移民の暮らしぶりが分かるいくつかのテーマをもとに1時間半ほどのツアーが組まれていて、ツアーに申し込まなければ、博物館の内部に入れません。

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看板にもある97 Orchard streetが博物館の舞台です。

私が参加したツアーは、SHOP LIFEという一番ベーシックなもので、アパートの半地下の奥で慎ましやかに暮らしながら、通りに面した手前のスペースでサロンと呼ばれるドイツビールやドイツの郷土料理(ザワークラフトやソーセージ等)を提供するバーを経営していたあるドイツ人移民夫婦の1870年代の暮らしぶりを、歴史家のツアーガイドさんが、当時の文献資料とともに解説をしてくれるものでした。

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右手がバーの入り口。精巧に当時を再現したバーの内部からツアーは始まりました。

各地からの移民が流入して混沌とし、とにかく生きていくのに精一杯だった時代。近隣だけで700を超えるドイツ人が経営するバーがあり、いかにこの夫婦が競合するバーと競り合いながら、お店を切り盛りしていたのか。移民として生きていくとはどういうことだったのか。さらには、バーの奥の隠し扉の奥に広がる秘密結社の会合に使われていた小さな小部屋へも案内してもらえます。

バーがオープンした当初の広告や時代背景が伝わる新聞記事のコピーなども見せてくれながら、解説が続き、短い時間だけ150年ほど前のNYにタイムスリップしたような感覚を楽しむことができました。

英語のツアーですが、ガイドさんは分かりやすくゆっくりと話してくれますし、その当時の移民たちが暮らしていた建物に当時に近い状態で入れるのはマンハッタンでここだけですので、ツアーの解説が全部分からなくても行ってみる価値はあると思います。
私もこの1年はここに足繁く通って、マンハッタンをまた違う角度から学んでみたいです。

メモTenement Museum
HPでツアーのチケットを購入しないと建物内部には入れませんので、ご注意下さい。

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