NYで驚きの体験

Language exchange partnerとのNYらしい体験

前回の記事では、渡米間もない頃の私の英語の練習に絶大な貢献をしてくれたlanguage exchange partnerのことを書きました(こちらからどうぞ)。

その彼は当時、大学生。そして私は大学附属の語学学校に通っていて、私たちは大学の語学課を通じて知り合いました。

language exchangeはあくまで非公式の勉強プログラムなので、大学は相手の紹介をメールでしてくれるのみ。その後は、各自で連絡を取り合って勉強を進めます。
大学からその彼を紹介されて、すぐに連絡を取り、初めて会う日が決まりました。

NYの生活に慣れた今となっては驚くことではないのですが、約束の前の日、その彼から1通のメールが届きました!
そこに書かれていたのは、「悪いんだけど、明日の約束、別の日にしてもらえないかな?伊藤教授というすばらしい教授の特別講義がちょうどその時間にあって、そっちに行きたいと思っていて。」という内容。突然のドタキャンです。

日本人の感覚からしたら、通常は最初に入れた約束はよほどのことがない限りキャンセルしないと思うのですが、個人主義のアメリカでは、こういったことが起こっても驚くべきことではありません。
でも、渡米後まだ数ヶ月だった私は、ちょっと失礼じゃないか、と思いつつも、「うん、いいよ。じゃあxx日に変更しましょう。」と返事をしました。

そして、また驚くことが起こったのは、リスケされた日の直前のことでした。お互い大学のキャンパス内にいるので、てっきり学内の食堂やカフェで会うはずだと思っていた私に彼から届いたメールには、こんなことが書かれてありました!

「ねぇ、xx日だけど、僕は大学のキャンパス内のxxというビルのxx号室に住んでいるんだけど、会うのは僕の部屋にしない?」

大学の紹介とはいえ、まだ会ったこともない男性。
最初は予定をドタキャン、そして次は自分の部屋で会おうとするって何かおかしくないかと、一人でけっこう悩み、せっかく見つかったlanguage exchangeの相手でしたが、もう会うのもやめてしまおうかとも思いました。(当時は、すごく太ったむさ苦しい男性を勝手に想像していました・笑)

そして、相手に失礼にならないようにと考えに考えた挙句、私はこんなメールを送ってみました。

「xx日はx時に約束して1時間会うことになっていると思うんだけど、その後すぐに学校の授業がxxという建物であって、あなたの寮とは少し離れていて授業に間に合わなそうなの(本当は授業はないですが、嘘も方便)。私の授業があるxxという建物の隣のビルの1階にカフェがあると思うんだけど、そこで会うのはどうかな?」

すると、相手からはあっさりと、「うん、いいよ~。」との返事が来ました。

そして会ってみてビックリ。
ジャニーズ顔負けの好青年で、日本語はペラペラ。実は大学からアメリカにやって来たので英語は母国語ではないのですが、ネイティブ並の英語力。
そして、大学の副専攻である日本の政治経済に傾倒していて、私との最初の約束の日には、めったにない機会である日本の大物教授伊藤先生の講義に出たかったことを知りました。

次回からはテーマを決めてディスカッションをすることになったのですが、驚くことに彼が提示してきたテーマは「国鉄の民営化」。何度か日本を訪れた時に、どんな田舎で利用客がほとんど見込めないような地域にもJRが走り、1分と違わない正確さで電車が到着し、誰が見ているわけでもないのに、車掌さんが「出発進行!」ときりっと号令をして電車を走らせている様子に驚くと同時に、そうした国鉄の歴史にも興味を持ったようです。

良識的な人だけど、なぜ自分の部屋で会おうとしたのかはしばらく謎でしたが、その後も同じカフェに来てくれるというので、そこで勉強を続けていきました。
それからまもない頃、彼はあまりに勉強が多忙で授業以外の時間は部屋にこもって勉強していたので、効率性を考えて自分の部屋で会おうと軽い気持ちから思ったことを知りました。(アメリカの大学生がいかに勉強しているかは、こちらをご参考ください。)
さらに1年後、その彼がゲイであることをカミングアウトされ、最初の私の心配は完全な徒労であったことを認識するのでした(笑)

この一件から、最初の印象で勝手に判断しないこと、ちょっとでもおかしいと思ったら相手と交渉することの重要性を学びました。
今振り返っても、とてもNYらしい出来事で、私にとって忘れられないNYでの体験です。

夕暮れ時、グランドセントラル駅近くで毎日のように見かけるsalvation army(救世軍)のメンバー。クリスマス近くなるとマンハッタンのあちこちで鐘を鳴らしながら歌を歌っています。今年ももうそんな季節です

かわいいポニーちゃん。驚べきことに、休日、マンハッタンの街中に突如出現。小さな博物館での子供向けイベントのためにやってきたようです


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