NYに住む

NY最高の弁護士、ジェームスさんを想う

昨日、そのニュースを知ってから、あまりに突然のことでショックが大きく、1日経った今でもいまだに信じられません。

NYに住む日本人で、この方にお世話になった人は、私を含めて数限りないことでしょう。
その穏やかな笑顔、日本人かと間違えてしまうほどに丁寧な物腰と気配り、親身でかつ的確なアドバイス。この方と初めて会った2011年の冬の日は、私の過去、そして未来の「ニューヨーク史」の中で、重要な日として永遠に刻まれていくことでしょう。

NYで移民法の弁護士としてご活躍されていたジェームス・ノーラン弁護士が、肝臓がんのため、7月15日に58歳の若さでお亡くなりになられました。

NYで暮らす人が誰でも直面するビザの問題。このブログでも何度か記事にしてきましたが、アメリカで「移民」が暮らしていくためには、合法的なビザがなくてはいけません。学生ビザで入国し、最初は勉強に専念していたものの、その後仕事が見つからずに就労ビザが手にできず、泣く泣くこの国を去っていく人は枚挙にいとまがありません。また、ビザ切れてもこの国に居残って不法移民となってしまったため、一生この国の外へ出ることができない(ビザが切れた後海外へ出国した場合は、合法的なビザがないとアメリカへの再入国は認められません。)人も、数えられないほどいます。合法的なビザは、この国で生き残っていくための手形のようなもの、と考えると、アメリカに生活していきたい人にとって、ビザに欠陥を抱えてしまうことは、命取りにもつながってしまうのです。

親日家で知られ、日本語も堪能なジェームスさんは、NYで暮らす日本人に貢献したいとの思いから、1994年から毎月、NYの日系人会で無料のビザのコンサルテーションを続けてきました。また、ご自身が経営される弁護士事務所でも、毎月1回無料の電話相談を行っていました。

通常であれば、1時間のコンサルが数万円はする弁護士の世界。忙しい業務の合間を縫って、月に2日も無料でのコンサルテーションを続けてきたジェームスさんに助けられ、そのおかげで今でもNYで暮らせている人は、どれだけいるでしょうか。

日本のアメリカ大使館でのビザの面接を控え、書類に不備がないか不安でジェームスさんのコンサルを受けたのが、私とジェームスさんとの出会いでした。慣れた手つきでさっと資料に目を通し、足りない書類を的確に教えてくださいました。そのおかげで、無事にビザを取得し、私はいまこうしてNYで暮らしているのです。

その後、ジェームスさんにお礼のメールを送り、ほどなくして、ジェームスさんが日本文化に興味をお持ちで、ご自身で日本文化交流のHP、Japan U.S. Creativesを主宰されていることを知りました。
http://japanuscreatives.com/

ジェームスさんが主催されたJapan U.S. Createsの2011年のクリスマス会は、イタリアンレストランで開かれました。着席式のスタイル。仕事で少し遅れて到着した私を見つけると、いち早く席を立って「来てくれてありがとう。」と出迎えてくれ、私の席があるかどうか、私が初めて会う同じテーブルの方たちとの会話に溶け込めているかを気にしてくださっていました。そして、ジェームスさんご自身は、会の最中、ご自分はテーブルの一番端に座り、参加者全員が楽しんでいるかを、常に確認されていらっしゃいました。

日系の無料紙にも定期的にビザの最新情報を提供されてきたジェームスさんですが、最近記事をあまり見かけなくなり、どうしていらっしゃるんだろう、と思っていましたが、まさか病院で闘病生活を続けていたとは・・・。

ジェームスさんのご冥福を心からお祈りいたします。


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