その日は突然やってきました。
日本でも報道されていたようですが、6月15日、アンドリュー・クオモNY州知事は、NY州のコロナ関連規制を一部を除き撤廃することを発表しました。事実上のコロナ終息宣言です。
解除は直ちに有効で、その日の夜には花火まで打ち上げられました。
私はその日、仕事で夕方までマンハッタンのオフィス街にいましたが、すぐに電車に乗って帰宅したこともあって、このニュースはNYの日本領事館からのニュースレターで知りました。
終息宣言の翌日のユニオンスクエアでピエロのようなお姉さんを発見!
NYで公式に最初のコロナ感染者が記録されたのは、2020年3月1日のこと。それからあれよあれよという間に感染者が拡大し、数ヶ月にわたるロックダウンを経て、去年の夏から段階的にロックダウンが解除。
ただ、それ以降も、感染者の拡大で真冬に飲食店での店内飲食が完全に禁止となるなど、ここまで長い道のりでした。
NYのロックダウンは日本の緊急事態宣言とは違ってかなり厳しいもので、ルールはルールということで、生活に必要な事業(公共交通機関、病院、通信系、郵便局、スーパーなど)以外の人は全て自宅勤務が「義務」づけられました。
これにより、長い巣ごもり生活が始まったのです。
マスクをしない文化だったアメリカでここまでマスクが普及したのは、コロナがあったから。NYらしい個性的なマスクも多数登場しましたが、こんなコロナファッションも。
NY在住経験が長い人たちは、911以来の一大事とよく話していました。
私は911の時にはNYに住んでいませんでしたので、ロックダウンによりあんなに賑やかだったマンハッタンからごっそりと人がいなくなったゴーストタウンを目にした時の衝撃は大きかったです。
911経験者は、911の時にはNYから人はいなくならなかったけれど、今回は多くの人がNYを去ってしまったのでその当時と全然違う現象になっていると話していましたが、実際、空き家が増加しているマンハッタンでは、もともと住宅街であるマンハッタンのお隣、クイーンズやブルックリンよりも家賃が下落しているという前代未聞の事態となっています。
今までは、家賃の高いマンハッタンに住みたいけれど住めない人たちがクイーンズやブルックリンに住んでいましたが、広い家で住環境も良いそちらの地域の方が今や人気が高く、家賃も高止まりしてるのです。
百聞は一見に如かず、ということわざの通り、コロナの状況、街の復活の道筋は、どのようなニュースよりも自分の目で確かめることが一番確実であることを、この1年半の間、様々な報道を見ながら感じていました。
肌感覚でも、この1ヶ月の間の街の復活のスピードには目覚ましいものがあります。
ユニオンスクエアで知らない人同士でチェスを楽しむニューヨーカー。こんな光景が復活したのもごく最近のこと。
コロナ終息宣言により、ホームではマスクを外すことも大丈夫となりましたが、車内では引き続きマスク着用が義務付けられています。24時間の地下鉄運行で眠らぬ街と言われていたニューヨークですが、車内の清掃のために夜間の運転を中止していた時期もありました。今は24時間運行に戻りましたが、清掃は続けられています。ニューヨークの地下鉄がここまで綺麗になったのはコロナがあったから。
特に大きな変化は、コロナの事実上の終息宣言によって、オフィスに戻る人たちが増えてきたことです。
つい最近までは座席も1人ずつ空けて座っていた地下鉄ですが、今朝は立っている人たちもぎりぎり身体が触れない程度の混み具合。
日本の感覚で言えば、満員電車の定義には当てはまらないかもしれませんが、ニューヨークの地下鉄がここまで混んでいるのは珍しいことです。それだけオフィスに通勤する人が増えているのです。
ニューヨークの新しい時代が幕を開けました。