観光やビジネスで訪れる人も多いマンハッタンには、毎日朝から晩までたくさんのイエローキャブが走っています。
そんなに走っていてお客さんの取り合いにならないのかしら、と思ってしまいますが、特に天気の良い夏の時期は、金曜日夜(アメリカ人はクラブ好きなので、夜ごはんの後クラブに繰り出します)だけでなく、平日夕方でも、街中を走っているタクシーはほぼ満車となっていて、空車を探すのが大変な状況です。
JFK空港に降り立ち、いざマンハッタンへ、と意気込んでいるときに、最初に直面する壁は、タクシーではないでしょうか。
私も観光でこちらへ来た時そうだったのですが、タクシーの運転手さんになかなか行き先が伝わらずに苦労した経験があります。今まで勉強してきた英語は何だったんだろう、と思ってしまいますが、気にすることはありません!タクシーの運転手さんも、99%が移民。ネイティブでないのはお互い様。一度で行き先が伝わらなくても、気にすることはありません。根気強く行き先を分かってもらえるまで伝えましょう。
こちらへ住むようになってからはほとんどないのですが、旅行で来た時には、悪どい運転手にわざと遠回りされたことがありました。
観光客だから分からないと思って、意図的にそうしたのでしょう。
そこで、今日は、タクシーに乗る時のポイントをご紹介したいと思います。
1.行き先の伝え方 - 82nd streetとLexington avenueの角に行きたい時。
"Can you go to 82nd and Lex?"と伝えましょう。マンハッタンの道は碁盤の目になっているので、行き先は、通常、東西に走るstreet名、そして南北に走るavenue名の順に伝えます。Avenue名は、Lexington avenueは長いので、Lexと省略するのが一般的です。その他のavenue名は、そのままの名称です。
2.行き先の確認
数字によっては、14と40のように、聞き取りずらいものもあるので、その後のトラブル防止のために、14であれば、"One four”、40であれば、"Four zero"といった形で、必ず運転手さんから確認が入ります。もし間違って伝わっていたら、その場できちんと訂正しましょう。
旅行でNYを訪れたときには、こんな簡単な数字を念押しされるなんて、と自分の英語力を卑下していたのですが、誰にでも確認しているので、気にすることはないようです。
3.メーターの確認
メーターをわざと動かさず、降りる時になって動かすことを忘れていたといって高額請求する悪徳運転手に、ニューヨークに限らず、旅行先では気をつけなくてはいけません。発車と同時に、運転手がメーターを動かしているかの確認が必要です。万が一動かしていなかったら、動かすように促しましょう。
"Is this meter working?"のように聞いてみれば良いと思います。
4.下車直前
親切な運転手さんであれば、道の右側と左側のどちら側に止めればよいか聞いてきてくれます。(マンハッタンの道は基本的に一方通行なので、右にも左にも止めることができます。)
"Which side do you want me to park?"のように聞かれたら、"Please park on the right (left) side."と答えます。
もし、道が混んでいて、その場で降りたい場合は、"Can I get off here?"や"I want to get off here."、降りる場所を変更する場合は、"Can you park at 80th and Lex?"と言った形で頼むことができます。
5.支払い
支払いは、クレジットカードでも現金でもどちらでも大丈夫ですが、チップの支払いは必須です。
チップの計算が面倒であれば、クレジットカードでの支払いが便利です。後部座席の目の前の機械にクレジットカードを通すと、チップの額を指定する画面へと進みます。
レストランのチップは15%~20%が必要ですが、タクシーであれば、10%で十分だと思いますので、画面で10%を選択すると、チップ込みの額で決済されます。
6.挨拶
下車の時には、あまりにひどい運転手を除き、挨拶をしてから降りましょう。
"Thank you."に加えて、「さようなら」と言った言葉も添えると丁寧です。会話では、さようならという時に、"Good bye"はあまり使われません。(それについては、過去記事をご覧ください。)
時間帯によって、朝であれば"Have a good day"、午後であれば"Have a good afternoon"、夜であれば"Have a good night"と言います。丁寧な運転手さんであれば、先方からそのように言ってくれるので、その場合は、"You too. Thank you."と返します。ここでのThank youは、良い一日(または良い午後、良い夜を)、と言ってくれてありがとう、という意味でのThank youです。
不運なことに、万が一悪徳タクシーに当たってしまったら、きちんと自己主張をすることが大切です。明らかに運転手が道を間違えたり遠回りしていると思ったら、"Where are you going?"や"Do you know where you are going to?"と言って、少し牽制をかけてみましょう。それでもらちがあかなかったら、"I want to get off here."と言って、チップを除いた料金のみを払って降りてしまっても良いと思います。
また、JFK空港は、空港出口を降りたとたんに、白タクの人がうろうろしていて、突然スーツケースを白タクのトランクに乗せて、お客さんを車の座席へ引き込もうとしますが、車に乗ってしまったらもうアウト。スーツケースを車に積まれてしまったら、"No. Thank you."と言って、トランクからスーツケースを降ろして、正規のタクシー乗り場に行きましょう。白タク業者は、自分たちが悪徳商売をしていることを知っているのでそれ以上追いかけてくることはありません。
あまりタクシーに乗り慣れていないと、こうした一つ一つのステップが大変だと思いますが、これらを使いこなして、タクシーで不自由な思いをすることがなくなれば良いな、と思います。