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益々加速する個の時代をどう生きる?アメリカが欲しい人材とは?

年が明けて1週間。コロナがいまだ落ち着かない日々ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

日本の女性誌などでも昨年後半から取り上げられていましたが、2020年12月22日から地球は土の時代から風の時代になったと言われています。

土の時代とは、伝統的な価値観を重んじる時代。社会の価値観で良しとされることに皆が必死だった時代でした。ところが、風の時代に入り、自分らしさ、個性を重視した時代へと移り変わったそうです。コロナに入り、今まで当然と思われていたことができなくなったりして、生活や価値観に大きな変化を感じた人も多いかもしれませんが、今後、その傾向はさらに強くなるようです。

コロナでも議会が大騒ぎになっていても静かな我が家の周り。

例えば、日本では、今まで副業なんてもってのほか、という文化だったと思いますが、コロナにより業績を維持することが難しくなった会社は副業を解禁しました。これは、私が日本で働いていた10年以上前には考えられなかったことです。(なお、アメリカでは、たとえ正社員であったとしても、会社との契約はat willという形式。これは、お互いの意思で、という意味ですが、この言葉が意味するのは、どちらかがその意思をもたなくなったらいつでも契約を解除できるということ。そのため、会社は従業員を解雇しやすいですし、従業員も2週間前の通知で離職できるのです(多くの会社は、マネージャー以上の離職については、引継ぎなどに時間を要するため、1-3か月前の通知としています。このように、アメリカでは個人の会社への帰属度合いが弱く、会社も従業員を守る、という考えがないため、副業は基本的に本業と競業しない限り認められていて、会社への届け出なども不要です)。

コロナによりさらに加速する個の時代。社会的にとか周りが良いと言っていることではなく、「自分が」本当にやりたいことをやってこそ豊かに生きられる時代なのではないかと思います。

そのような中、アメリカに渡ってみたい、という人もいらっしゃるかもしれません。11年と少しの間アメリカに住んで感じるのは、時代が変わっても大統領が変わっても、アメリカが欲しいと思う人材は割と一貫しているのではないか、ということです。今日はアメリカが欲しがる人材について書いてみたいと思います。これは、アメリカで滞在するためのビザを取得することを考えたときにもベースとしてぜひ知っておきたいことです。

アメリカが欲しがる人材は大きく分けて、少なくともこの2つのどちらかに属する人ですが、その根底に流れる重要な考えは、アメリカにお金を落としてくれるか、ということです。

アメリカの発展に寄与してくれそうな優秀な人材
移民で成り立つ国アメリカは、今まで、優秀な移民たちを受け入れることで発展してきました。それが歴史の浅いアメリカが世界を率いる大国になった所以でもあります。
そのため、アメリカは、アメリカの発展に寄与してくれそうな人にはぜひアメリカに滞在してほしいと思っています。

有名人でいうと、ヤンキースに入団したまーくんや、アメリカ人に一番名が知れた日本人といっても過言ではない早食いチャンピオンの小林尊さん。彼らはあっという間にグリーンカードを取得しました。早食いなんて趣味の世界、と思われる人も多いと思いますが、アメリカではれっきとしたエンターテイメントの一種です。小林さんは、アメリカ独立記念日にコニーアイランドで行われる有名なホットドッグの早食い選手権で何度も優勝して一躍その名をはせました。アメリカ人を楽しませてくれる人材としてアメリカが重宝したのですぐにグリーンカードを発行したそうです。

そうしたことは有名人に限られたことで、アメリカの発展に寄与なんて普通の人では無理、と思ってしまう人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。何らかの分野で突出した才能や能力があればよいのです。

アメリカでは、日本語がネイティブだったり、日本文化に造詣がある、というのも特殊スキルです。アメリカ人にはないスキルだからです。
SUSHIがアメリカで流行り始めた頃は、アメリカ人でお寿司を握れる人はいなかったため、日本からの寿司職人が重宝されてすぐにビザがおりたそうです。私の友人は美容師免許だけだと他の人と差別化できないから着付免許があったほうが良いと知人にアドバイスをうけて、その2つの組み合わせでアーティストビザを取得しました。

私のように普通の会社員だった場合でも、アメリカにオフィスがある日本と取引がある会社(日系の現地子会社で日本と取引があるケースや米系の会社で日本と取引があるケースのどちらでも)で、その職務を全うするのに日本語ができないといけない、といった場合には、アメリカ人ではそのポジションを埋められないため、就労ビザ(ゆくゆくはグリーンカード)を取ることができました。

これは、裏を返せば、アメリカはお金重視でもあるとも言えます。私を雇用してくれていた日系の現地子会社や米系の会社がアメリカで事業を行い、アメリカ政府に税金を納めていたからこそ、アメリカ移民局は私にビザを出してくれたのです。

アメリカにお金をもたらしてくれる人
アメリカが欲しい人材のもうひとつのケースは、アメリカに富をもたらしてくれる人です。現金な話ではありますが、これは、アメリカのビザの要件を見ると一目瞭然です。

アメリカに留学以外の方法で滞在するためのビザは色々ありますが、その一つが投資家ビザを呼ばれるビザ。一定金額以上の資本金で会社を設立し、アメリカ人を一定人数以上雇っている場合、創業者は投資家ビザを取得することができます。投資家ビザ申請のための最低資本金額は年々値上がっています。また、アメリカ人の雇用要件も厳格化していると聞きます。結局のところアメリカが大切にしている考えは、アメリカの経済にいかに貢献してくれるか、ということです。そのため、アメリカで税金を納めたり、アメリカ人を雇用する人への評価が高いのです。

後者はもともと母国で事業をしていたり、もしくは、独創的なアイディアがあって投資家がついて起業したりなどではないと現実的ではないのでハードルが高いかもしれませんが、前者は発想次第でどのようにもアレンジできます。

実際、私自身、アメリカに渡って英語はネイティブのように話せないけれど、日本語と英語が使える、ということで重宝してもらったことはたくさんあります。もちろん、言語は手段でしかないので、それ以外に何かがないといけないですが、日本で磨いた何かのスキル+日本語と英語が使える、というパターンが、アメリカ人と差別化できるポイントになるのではないかと思います。

アメリカはこうして外部からアメリカ発展のためになってくれそうな人材を獲得して、発展をしてきました。移民法は大統領により変更されることがあり、トランプ政権時にはかなり厳格化されましたが、誰に大統領になってもこの基本方針に変わりはないと言っても過言ではありません。

アメリカでの挑戦の門戸は全ての人に開かれていますので、アメリカを目指す方々が、その夢を実現できることを私は全力で応援しております。


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