アメリカ人と一緒にいると、ちょっとした簡単な会話でも、日本で習っていたのとは違う受け答えがされていることに驚かされます
たとえば、日本の中学校の教科書には間違いなく、
「Thank youに対しては、You're welcomeと答えましょう。」
と書かれていると思います(最近の中学校の教科書は見ていませんが、私が中学生の時には確実にそう書いてありました。)。
しかし、ネイティブの人の会話の中で、このお決まり文句を聞くことはほとんどありません
その代わりに使われているのが、「No problem」。
日本語に訳したら、「いいえー(どういたしまして)」といった感じでしょうか。
初めてこの受け答えを目の当たりにしたとき、教科書英語とのあまりの乖離にびっくりし、その後1,2年ほど「Thank you.」に対してネイティブの人たちがどのように答えているのかを、その都度、その場面に遭遇したときに、逐一チェックするという小さな研究をしてきたのですが、驚くことに、ほとんどのケースが「No problem」でした。
英語には敬語はないといわれているものの、やはり言葉。友人同士や同僚同士、仕事でのお客さんと話すとき、何かをお願いするとき、大勢の前で話すときに使われる単語や表現はそれぞれ異なっているのです
ただ、日本との大きな違いは、日本のような上下関係社会はほとんどないため、上司、同僚、友人との間での言葉遣いは同じで大丈夫です。そのようなことから、英語には敬語のような概念はほとんどないとの誤解を招いてしまうのかもしれません。
そして、「No problem」という返答は、通常の場面、つまり、友人との間や会社で使われているのです。
友人同士や上司から部下へのメール、携帯のテキストでは、NPと訳してもOKです。(ただし、部下から上司へはNPとは書かず、No problemとタイプしたほうが良いでしょう。)
では、「You're welcome」はどんな時に使われるのでしょうか
それは、もっとかしこまった場面、相手との距離が離れている場合。
例えば、仕事上でのお客さんとの会話、初対面の人との会話といった場面です。
日常会話でも、英語は奥が深いです。