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アマゾンといきなりステーキの試練

バレンタインデーの2月14日、二つの大きなニュースが飛び込んできました。

アメリカでは、男性主導のバレンタインデー。(アメリカ流バレンタインデーについては、過去記事をご覧下さい。「バレンタイン」と検索すると、いくつか記事が出てきます。)といっても、入念な準備をしている男性ばかりではありません。バレンタインデー当日の夕方に、チョコレート屋さんで列を作る男性たち。

この写真の方のように入念な準備をした人もいれば、同じ電車で私の隣に座っていた男性は、電車に揺られながら、一生懸命、彼女へのラブレターを書いていました。

先日、こちらのブログでもお伝えした、本社のニューヨーク移転が反対派の運動で頓挫していたアマゾンですが(こちらが先日の記事です)、正式に、ニューヨークへの移転を撤回することを発表しました。

ニューヨークで25000人分の雇用を創出し、従業員の住宅、食事など多くのことを考えると、ニューヨークの景気に好影響と判断したニューヨーク市長やニューヨーク州知事が水面下でアマゾンと合意に達していただけに、アマゾンにとっては、地元議員が中心となって地元住民たちとともに繰り広げた反対運動は寝耳に水、だったかもしれません。
ニューヨーク市長とニューヨーク州知事は、15億ドル(約1700億円)の税務免除まで確約していました。

ただ、今年頭に当選したばかりのわずか29歳の民主党女性議員、アレクサンドリアさんを中心に、地元の政治家たちも、こんなに大企業に税務免除をする必要はないし、地域に根ざした商店が潰れてしまったり、住宅不足で近隣の家賃が高騰したり、電車の混雑がひどくなったり、といったことを懸念して、大反対をしました。
今後、本社移転のために、地元からの十分な支援を得られないことを悟ったアマゾン側が、移転の白紙撤回を発表したことで、昨年秋から議論を呼んでいたこの一件は終着しました。

この一件を見えいると、渡米までに私が英語の勉強のために繰り返しみていた"You've Got Mail"を思い出します。大手書店を開こうとするビジネスマンと対立する小さな地元書店の女性オーナーを描いた映画です。

そして、同じくバレンタインデーに驚くべき発表をして、ニューヨークの日本人たちを驚かせたのが、いきなりステーキ。
日本と同じようなハイペースで、2017年のニューヨーク進出以来、11店舗もマンハッタンに店舗を増やしてきましたが、そのうち7店舗を夏までに段階的に閉め、残った店舗のうち2店舗は、西海岸で成功しているペッパーランチへと衣替えすることを発表しました。

いきなりステーキのビジネスがアメリカと全然馴染んでいず、あと1年もたないのではないか、という記事を去年の夏に書きましたが(いきなりステーキのNYでの挑戦)、残念ながら、それが現実のものとなってしまいました。
店舗契約は最低でも1年、もしかしたら複数年契約かもしれないので、その解約金だけでも、一体いくら払うことになるのかと考えただけでクラクラしてきますが、これ以上の赤字垂れ流しは流石にできなかったのだと思います。

いきなりステーキの今回の決断については、こちらに、現地法人社長の言葉が詳しく載っています。

川野米国社長「第一ラウンドは破れた。第二ラウンドを戦う。」

業種も業態もまるで違いますが、アマゾンのニューヨーク移転撤回と、いきなりステーキの突然の店舗閉鎖を見ていると、お金や権力に頼って、その土地のこと、その土地で暮らす人たちのことを考えずに物事を進めることが、いかにリスクを伴うか、ということを示しているように感じています。お客さんと真摯に向き合って地道に事業を行っている会社に、ビジネスの神様は微笑むのだと思います。


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