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米田選手に直撃~後編~

私たちにとって緊張する瞬間といえば、テストや面接等が考えられますが、スポーツ選手にとって緊張する瞬間といえば、やはり試合の本番。

どちらも、人生にとって重要な場であることは同様ですが、その決定的な違いは、注目度」だと思います。

スポーツ選手の場合、特にオリンピックとなれば、日本中の目がその試合に向けられ、そして勝っても負けても色々なコメントが寄せられます。そんな張り詰めた緊張状態の中で結果を残すことができる選手の精神力は、私には想像もできないです。

米田選手は、その精神力を、常に本番を意識することで鍛えていったそうです。それは、日々の練習も常に試合当日と思って取り組むということ。いくら練習を重ねても、当日に小さな失敗をしてしまうこともあります。そのため、練習中でも、途中で失敗をしてしまったとしても、最初から最後まで必ず通して演技をすることで、途中であきらめない強い気持ちをつくっていったそうです。

今回は、引退してそんな日々の緊張状態から開放された米田選手がいまどんなことを考えているのか、お伝えしたいと思います。

引退そして指導者への道を目指すいま

Q5 引退して長い選手生活に終止符を打ち指導者へと転向した際、気持ちの切り替えはスムーズにできたでしょうか。

A5 正直、選手時代は、指導者の立場はとても楽そうに見えていて、自分も早く選手生活から開放されて指導者になりたいと思っていました。しかし、いざ自分がその立場になってみると、思っていた以上に大変な世界で、それは今でも強く感じています。

選手時代には、日々目的意識を持って取り組んでいて、毎日成長を実感していましたが、指導者になった当初は、成長感を失い、自分はこのままでいいのだろうか…、と思うことがしばしばありました。今は指導者として自分の目標を確立しているのでそのようなことはありませんが、引退して最初の1年はこうした思いが消えませんでした。

Q6 体操選手を目指す幼い子供たちにどのような指導をしていきたいですか。

A6 日本の体操界は、いわゆるスパルタ教育でした。コーチの言うことが絶対で、自分の意見を言えるような機会はない中で育ってきました。日本では、有名にならないと話が聞いてもらえない環境です。

そうした環境に慣れていたので、引退後アメリカの体操教室を見学して、指導者と生徒が対話をしながら練習している光景をみて、カルチャーショックを受けました。自分は、生徒と対話しながら、各生徒が考えていること、やりたいことを引き出す指導をしていきたいと思っています。そうした自分で考える力は、あらゆる場面で大切だと思います。

Q7 アメリカに来て、楽しいことは何ですか。

A7 選手時代は行動が制限されていて、海外遠征でも一人で外出することはできなかったので、いまは自由にスターバックスに入れる、といったちょっとしたことがとてもうれしいです。日本のスターバックスでは、みんな間隔をあけて座っているけれども、アメリカでは広い店内の一部に人が密集していたりして、何でなんだろう、と考えたりしています。

米田選手、時間も気にせずに長い間私たちの質問につきあってくれて、その穏やかでさわやかな人柄から、女性陣のみならず男性陣からも、かっこいいとの声がもれていました。

長い選手人生、山あり谷ありだったと思いますが、20代前半にタバコをやめることができたことが自信となり、頑張ればタバコもやめることができるんだから、何でも少しずつ積み重ねていけば目標は達成できる、と信じているそうです(なんだかとてもかわいいですよね)。

米田選手のノウハウを引き継いだ選手たちが、2012年のロンドンオリンピックで活躍する姿を見るのが今から楽しみです。そして、自身の体操教室オープンに向けて日々邁進されている米田選手。これからも応援していきたいと思います。


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