NYに住む

見知らぬニューヨーカーと救った小さな小さな命

先週月曜日のメモリアルデーを境に、アメリカに夏がやって来ました!
夏は小麦色の肌がファッショナブルなアメリカ。この週末も、太陽のもとでようやくやってきたこの季節を楽しむニューヨーカーで溢れていました。

国連の近くを歩いていると、遠くから全く聞いたことのない言語が。ハイチの人権問題に抗議する団体の集会でした。
一体何があったのか分からないですが、参加者一人ひとりの熱気が伝わってきた集会。こうして世界を身近に感じられるのもニューヨークの魅力の一つです。

 

昨日、いつも人通りが多い大通りを歩いていた時のこと。
横断歩道を渡ろうとした時、見たこともないような小さな小さな雀が路上の端っこでパタパタしているのに気がつきました。

雀はもともと小さいですが、その子は私の手のひらの3分の1ほどしかありません。
やっと羽が生えたばかりの生後間もない赤ちゃん雀。
可愛いのでひとしきり眺めていたのですが、その子がいるのは路上の端っこ。すぐ後ろには路上駐車中の巨大な車が。

愛らしい雀ちゃん。手前の白い模様は横断歩道の角っこ。どんなに小さな子かこの写真からも伝わるでしょうか。

 

その構図にびっくりして周囲を見渡しましたが、周りは観光客や目的地へ急ぐ人ばかりで、誰もこの雀の子に気がつきません。

早く安全な歩道に移動してくれないかな、とじーっと見つめていたところ、この子が羽をパタパタし始めました。
早く飛んで!と願うものの、なんとまだ小さすぎて羽が完全にできていないのか、全く飛ぶことができません。

この子をなんとか救わないと!と思いつつ、野生の鳥を家に連れ帰るわけにもいかないし、どうしようと一人その場に立ちすくんでいた時のこと。横断歩道が青になっても渡らない私に気がついた向かいからやってきたおばさん。

大きな花柄の黄色のドレスを着た中南米出身と思われるおばさんが、即座にこの子に気がつき、こんな場所にいたら危ないわ、と私に話しかけてくれました。「そうなんです、でも小さすぎて飛べなくて。どうしましょう。」と言うと、即座にしゃがんで手のひらに雀を乗せようとするおばさん。「この子は赤ちゃんで母親とはぐれてしまったのよ。きっとこの近くに母親がいるはずだわ。」と言いながら、小さな小さな雀を手のひらに乗せようと必死です。「でも、お母さんの姿が見えないんですよ。」という私の傍で、慣れた手つきで赤ちゃん雀を捕まえると、すぐ後ろの歩道にあった花壇へ。「ここなら安全。ほらっ、お母さんいるじゃない!」彼女がどうしてこんなに嗅覚が良いのか分からないのですが、なんと花壇の茂みにお母さんと思われる雀が。

私の腰ほどの高さの花壇。何かの拍子にこの赤ちゃん雀は落ちてしまったのでしょう。

めでたくお家へ戻ることができて、おばさんと「良かった良かった」と言葉を交わし、別れました。

その時間わずか1分ぐらいでしょうか。
きっと母国の中南米でこうした光景に遭遇したことがあるのでしょうか。

見知らぬ人同士がこうして会話したり行動を起こしたりすることがごくごく普通に行われているニューヨーク。
そんなフレンドリーなニューヨーカーに助けられ、おばさんの行動力と判断力にただただ驚いた土曜日の午後。
小さな小さな雀ちゃんが元気に巣立つことを願うばかりです。


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