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過程より結果重視のアメリカ社会への疑問

いつもニューヨークの面白い話をお届けしようと思っていますが、今日は、アメリカ社会で私が疑問に思っていることを書いてみたいと思います。

これは、私が最近思ったことではなく、随分前から感じていたことです。日本からアメリカにある程度の年になって渡った人であれば必ずや直面することだと思いますので、アメリカ在住の方へ向けて、知っておいたら少しは気持ちの面で違うのではないかと思ったのと同時に、日本人の美徳を再認識するきっかけにもなりますので、どこに住んでいるかに関係なく、日本人の方へのメッセージとしての意味も込めて、ここに書いてみたいと思います。

最近、寒さのために外出が減って、ブログに載せる写真があまりないのですが、今日はこんな面白い場面に遭遇しました!スクワッシュの選手権です。JP Morgan主催がメインスポンサーなので、プロの大会のようですが、なんと、グランドセントラル駅の中で開かれています。

奥にいる観客は、チケットを買って入場した人たち。私のように立ち止まって見ている人も数多くいました。

チケット売り場も駅の中。

標題の通り、アメリカ人は結果重視の国民性で、そこに至る努力とかよりも何よりも、「結果」に重点を置きます。

結果にまだ結びついていなくても、そこに向けて陰で汗水流して努力している姿を汲み取る日本社会とは正反対です。

例えば、アメリカでは、仕事の出来が悪い社員は容赦なく解雇される風土があります。会社によっては、数ヶ月を観察期間として、その間に思ったような改善が見られない場合には最終的に解雇となる場合もありますが、私の会社では、たまに、その観察期間中に会社の都合で解雇しまうケースもありました。

もともとやる気がないのは論外ですが、他の人に追いつこうとたとえ残業をたくさんして頑張っていたとしても、その過程は考慮されることがまずないのが、アメリカ社会の特徴だと思います。

それに対して、日本には、社員の成長を見守る、という風土があるので、人より遅れをとっている人がいても、その人に合った仕事を与えるところから始めたり、その人が陰で努力していたとしたら、結果はまだでていなくても、そうした地道に努力してしている姿を見てくれている人が必ず一人はいると思います。(ただ、日本にはまだ成果主義が浸透していないので、こうした事情が、できる人に仕事が溜まって不公平を招いたり、という弊害につながることも否定できません。)

アメリカ人が、過程より結果を重視する傾向が強いというのは、アメリカ人と働いていて感じることも多く、仕事で何かを聞いてくるアメリカ人の部下のほとんどは、どうしてそうなるかよりも、答えだけを早く知りたがります。英語はもともと結論から話す文章構成なので、説明の組み立て方も日本人に話す時とは大きく変えることが、誤解のないコミュニケーションのために重要になってくると思います。(私も日々勉強中&研究中です。)

個人的には、そこに至るまでの過程や思考プロセスの方が重要だと思うのですが、なかなか理解してもらえず、そのため、思考の深さという点で、アメリカ人は他国の人より一般的に低いと思います。

先日、別の会社に勤めるアメリカ生活の長いある日本人の知人から仕事絡みの専門的な質問をされて、あいにく答えが分からなかったので、私の会社の資料で参考になりそうなものを探して送ったのですが、その資料を自分で見ることもなく、私の上司で知ってる人いないの?とか、この資料の中に答えがあるってこと?と、年の瀬も迫った頃に矢継ぎ早に返信が来て閉口してしまいました。年末で誰もが慌ただしい時期で、私も休み中に会社のパソコンを開けて資料を送ったのですが(相手はそれを知りません)、そんな風に言われて少しガッカリしました。アメリカ人でもこんな言い方はあまりしないと思いますが、答えを急いで求めるというところが、アメリカ人的行動だと思いました。

答えがyesかnoかだけを知りたかったようですが、思った通りの答えがもらえなかったとしても、そこに到達しようと相手が動いたことに対して感謝することの大切さを、反面教師のように感じました。

私は日本とアメリカの事情しか分かりませんが、ヨーロッパや他のアジア諸国、世界の他の国はどんな感じなのか個人的に興味がありますので、ご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。


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