3ヶ月ぶりの投稿になってしまいました。その間に季節は春へと変わり、NYは日々目まぐるしく変化しています。
これほど環境変化の多い一年は後にも先にもないのではないかと思うほどに世の中は激変し、今まで当たり前であったことがそうでなくなったり、またその逆もあったり。自分がNYの街で見聞きしていることと世の中で報道されていることの大きなギャップに驚いたり、仕事でもプライベートでも外で過ごす時間が長かったのに突然自宅に長期間こもることになったり、眠らぬ街で知られるNYの地下鉄がなんと夜間清掃のために深夜に運行されなくなるという前代未聞の事態になったり、ゴーストタウンでホームレスだらけのマンハッタンの惨状を目にしたり、こんなにも周りの環境が変化することは一生涯で最初で最後ではないでしょうか。
こんな当たり前の光景が見られるようになったのも最近のこと。パンデミック期間中は地下鉄はガラガラ。マンハッタン行きの電車の各車両に数人しか乗っていない時期も長かったです。日本の地下鉄とのあまりの違いに驚く方も多いかもしれませんが、この雑然とした雰囲気こそNYの地下鉄です。
コロナにより不便を強いられることも多い一年でしたが、特に時間の流れが早いNYという街でいわゆる強制終了が起こったことで、私自身は、いろいろな不要だったものがどんどん削ぎ落とされ、その一方で新しい世界や人間関係が生まれるなど、新しい人生のチャプターに入ったような日々でした。
去年の3月後半に始まったロックダウンは数ヶ月続き、感染者もうなぎ登りとなり、世界一危険な都市として報道もされていたNYですが、州や市の迅速な対応、一人一人の意識ある行動、皆で一丸となって取り組んできたことが功を奏したのか、最近になってトントン拍子で完全復活の話が上がり、ついに明日、19日にその日を迎えることになりました。
天気の良かった先週末にユニオンスクエア近くにて。見にくいですが、帽子にも注目!こういう人たちが戻ってきたのも街が落ち着いてきた証です。
経済の完全再開(reopening)でどうなるの?と思う方も多いかもしれませんが、今までNY州では飲食店の店内、映画館やアミューズメントパークなどの商業施設での収容人数に制限が設けられていました。また、飲食店は強制的に短縮営業という状況が続いていました。飲食店については感染源となりやすいことから、かなり厳しい制限が設けられていて、ロックダウン期間中はテイクアウトとデリバリーのみ。その後も収容人数が限定されたり、感染者増加とともに真冬の寒い時期に店内飲食が完全禁止となり、小さなヒーターがついた屋外席で厚手のコートを着ながら飲食をすることが日常の光景になったり、経営者にとっては頭の痛い状況が続いていました。
シェイクシャックの1号店があるマディソンスクエアパーク。平日ですが人で溢れています。緑の仮設テントのような建物は、冬の間のアウトドアダイニングの席。
フラットアイアン地区の屋外飲食はこんなにおしゃれ。Eatalyというイタリアの食料品店内のレストランなので、雰囲気もヨーロッパのよう。
経済の完全再開とは、このように今までかかっていたビジネス上の制限が完全になくなる、ということです。
ブロードウェイも9月からの再開が発表されました。
日本と比べてはるかに適当なことが多いアメリカですが、アメリカ人で一定レベル以上の層の人たちは、やると決めたことは徹底的にやり、必要なときには猛スピードで動く火事場の馬鹿力をもっています。5月に入って突然報じられ始めたリオープニングの日がこんなにの早く訪れるとは予想していなかったので驚いています。
それと同時に、今までもぬけの殻のように人がいなかったマンハッタンにニューヨーカーたちが戻って来て、お店も賑わい始めたのは嬉しい限りです。やはり私が「恋する」ニューヨークはこういう活気あるニューヨークなんだ、と再認識しています。
コロナにより、世の中や人々の考え方は大きく変わりました。日本では「コロナ禍」なんて言葉が生まれて暗いニュースばかり、という話も耳にしますが、ニューヨークはそうではありません。そこにはどのような状況下でもたくましく生きる人たちの姿がいます。
マンハッタンに人が戻ってくる、イコール、個性的な人も戻ってくる、ことを意味します。思わず写真を撮ってしまったこの男性、大人ですが背中にはランドセル?!
日本では病院関係者は煙たがられるとも聞きますが、アメリカでは医療従事者はヒーロー。向かいに座っていた男性も医療従事者のようで、胸にはHealth Care Heroesのバッチが。
メディアが報じないそのようなニューヨーカーたちの姿、彼らがパンデミック中に何をしていたのか、今何を考えて暮らしているのか、そのようなことをこのブログで少しずつご紹介していきたいと思います。
最後に嬉しいお知らせがあります。来月、このブログがリニューアルすることになりました!
リニューアルプロジェクトに参加くださっているのは、仕事のできる2人の日本女性です。
この一年巣篭もり生活をしていたのに、なんとコロナの中での素晴らしい出会い。
東京在住のウェブディベロッパーさん、NY在住のイラストレーターさんの協力のもとで、より見やすく、記事の検索もしやすいブログに生まれ変わる予定です。今後も引き続きNYの生の情報をお楽しみいただけたら嬉しいです。
みなさま、元気でお過ごしください。