NYから日本を考える

コロナ関連で感じたNYと日本の違い

まだまだ長引くコロナですが、ニューヨーク市の経済再開計画は着実に進んでいます。
6月22日から美容院がついに再オープン。そして、テイクアウトとデリバリーのみだったレストランやカフェも、外の席での食事の提供が始まりました。これにより、住宅街を中心に、太陽が照りつけるもとで、食事を楽しむ人たちをよく見かけるようになりました。

アメリカは50州もあるため、州により状況は様々。つい最近も、アメリカのコロナ感染者が激増、というニュースがありましたが、これは、ニューヨーク以外の州での出来事です。
前回の記事(こちら)にも書きましたが、メディアのニュースでアメリカ全土が危ない、という誤解を招いていないといいな、と思います。

コロナでは、失業して困窮している人が多い中で、アメリカの大企業のトップ層が自社株の売却で富を増やしたり(数日前にも、アマゾンのCEO、ジェフ・ベゾスがこの数ヶ月で4000億円も資産を増やし、自己最高額の資産になったことがニュースになっていました)、社員への気遣いが足りない経営者の姿が明るみになったりと、もともと地層に隠れていた社会の問題や矛盾が一度に噴出しているような状況です。

この週末はJuly 4th. アメリカ人にとって重要な独立記念日。いつもよりアメリカの国旗を掲げている家が多かったです。

7/4にBBQに興じるニューヨーカー。

その一方で、私は、困難な状況の中でも前向きな姿勢を忘れないニューヨーカーの強さ、自己中の人が多いと思っていたアメリカで、こういう時に他人に手を差し伸べるニューヨーカーの優しさを目の当たりとし、ニューヨークの底力を感じていることも事実です。

そのような中、先日、日本で起こっているという驚くような話を耳にし、いまだに驚愕しています。

実際に私は今日本にいないので、聞いた話ではありますが、それは、「コロナ差別」問題です。

知人が留学を終えて4月頭にニューヨークから日本へ帰国しました。日本の空港での検査も受けて陰性であることを確認し、2週間の自主隔離もきちんとこなしました。しかし、その知人のお母さんは、職場でコロナ差別にあい、ニューヨーク帰りの息子と暮らしている、という理由で、2週間強制的に休暇を取らされてしまったそうです。それも有給休暇を使って。

また、コロナ患者を受け入れると、病院の風評被害がたってしまうとの理由で、患者の受け入れを拒否する病院も少なくない、との話を聞きました。

これは、ニューヨークとは真逆の対応で、驚きを隠せません。

ニューヨークでは、essential workerと呼ばれる、この状況の中でも休みなく働き続けている人たち(病院関係者、公共交通機関の職員、スーパーのスタッフ、配達員など)には、皆最大の敬意を払っています。彼らの頑張りがあるからこそ、患者が生還でき、私たちも食料に困らず暮らせているのです。そのため、コロナが大ごとになり始めてすぐの3月から、マンションのドアや家の窓にそうしたessential workersたちへの感謝の気持ちを示す張り紙がなされています。

さらには、毎日夜7時にessential workersたちへの感謝の気持ちを示して拍手をする、という運動が自然発生的に始まり、数カ月に渡って続いていました。拍手だけでなく、ちょうど夕飯の準備時なので、窓から鍋を叩く人がいたり、子供が楽器を鳴らしていたり。皆思い思いのやり方で、essential workersたちへの敬意を示していました。

こうした形で、家の外でessential workersへの感謝の張り紙をよく見かけます。

そのような状況の中で暮らしていたので、「コロナ差別」という言葉に耳を疑ってしまいました。本来敬意を払われるべき人やその家族たちが差別にあってしまう、のはなんとも悲しい出来事だと思います。こうした差別が早くなくなることを願うばかりです。


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