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NYは、本当に危険いっぱいなのでしょうか?

ここ数ヶ月、日本の友人と話していると、日本で報道されているニューヨークの状況と、実際の状況があまりに乖離していることにただただ驚いてしまいます。日本では、NYは、世界一危険な場所と報道され、そんな報道と合わせて、色々な恐怖を煽る映像が流れていたようです。

SOHOは小売店は閉まったままですが、掠奪防止のために外のガラスに張ったベニヤ板がストリートアートの宝庫となっています。

確かに、NYは、全米の中で感染者も死者も多く、NY州全体が完全ロックダウンとなっていました。

NYのロックダウンは、日本の緊急事態宣言よりもずっと厳しかったです。生活に必要な事業(essential businessと呼ばれる病院、スーパー、公共交通機関など)以外の人は、完全に在宅勤務となったのです。

銀行のオフィスワーカーの席。プラスチックのパネルがあり、お客さんとのソーシャルディスタンシングが徹底されています。

これにより、通常のオフィス勤務の人たちは全員リモート勤務。また、先日の記事でも紹介しましたが、休業しているレストランも多く、そうしたレストランで勤務しているシェフやウェイター・ウェイトレスたち、ヘアサロンやネイルサロンのスタッフたちも自宅待機。

一方で、自宅待機中にお酒が買えないと困る、とのニューヨーカーの主張を受けて、酒屋は生活に必要な事業となり、また、地味ではありますが、携帯電話やインターネット回線の会社、郵便局や配送業者は生活に必要な事業。確かに、彼らが休んでしまったら、Wi-Fiにトラブルがあっても対処してもらえないですものね。さらには、犬や猫を飼っている人が多いNYでは、ペットショップや獣医さんも生活に必要な事業とされていました。

こうして見てみると、友人たちと会えないこと、自宅で仕事をしなければいけないこと、を除いては、特に不便もない生活でしたし、日本で報道しているような恐ろしい場面も、自分の行動圏内では目撃したことがなく、あくまでネットの記事で見る、という感じでした。

先週末、海に行きました。今も外ではマスク着用が義務付けられているので、ビーチでもマスク。ここは、ニューヨークで綺麗なビーチとして有名なロッカウェイビーチ。

そんな大きなギャップに違和感を抱えながら過ごしていて強く思ったのは、ニュースには、発信したい人の恣意性が介入する、ということです。NYが危ないというニュースを流したければ、そうした場面だけを切り取って寄せ集めて報道することができてしまうことが、メディアの恐ろしさ、だと思います。ニュースの受け取り側は、その場にいない限りは、報道されることを鵜呑みにしてしまいますものね。

では、ニュースをより正しい視点で見るにはどうしたら良いでしょうか。

それは、世界規模での各国の関係や、報道している局やその国の主がどのような政治スタンスであるか、を知ることだと思います。こうして書くと難しそうですが、下記のようなざっくりした事情を知っているだけでも、だいぶニュースの見方は変わってくると思います。

☑️アメリカ:トランプ大統領はアンチ中国。コロナ対策で一躍その名を海外でも広めたNY州知事のクオモ氏は親中国。メディアは、局によりそれぞれ。

☑️日本:安倍首相も自民党の政治家、メディアは基本的に親中国。

こうした構図を見ると、日本のメディアがこぞってアメリカが過度に危険だ、と報道して、人やモノの移動を大幅に制限しているのは(NYと日本を結ぶ航空便は、この数ヶ月大幅に減便で、JALは欠航という前代未聞の事態でした。もちろん、こんな状況下で移動する人はいないかもしれませんが、こうした中でも物資の移動も必要なので、とても不便です。日本からアメリカへのEMSが4月末から無期限停止しているため、モノの移動はかなり限定的となっています。)、もしかしたら、アメリカの弱体化を狙っているのではないか、とさえ思ってしまいます。日本の政治家もメディアも親中派なので、アンチ中国という人がトップにいる国とは距離をおいているのではないでしょうか。

こうした発想は考えすぎ、と思う人もいらっしゃるかもしれませんが、そう思ってしまうほどに、日本から発信されているアメリカのコロナ事情がひどすぎるのです。

先日のミネアポリスでの白人警官による黒人暴行死に端を発したデモでは、NHK
Worldで放映されたアニメ動画が事実誤認として問題になり、NHKはこれを削除した上で、謝罪文も掲載したそうです。そのアニメ動画は、なぜ、デモや暴動が起こったか、という背景(白人警官による黒人暴行死)を説明せずに、黒人による抗議デモの様子を紹介していたようです。

https://www.nhk.or.jp/program/sekaima/sekainoima_doganitsuite.pdf

SOHOのストリートアートの続き。

 

コロナを機に、色々と価値観や生き方に大きな変化が現れている人たちは多いかもしれませんが、ニュースを見るときにも、そのニュースの発信元がどのような立場なのかを少しだけでも立ち止まって考えることで、また違った世界が見えたり、今まで見えなかったものが見えてくるような気がします。

 


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