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スタバの新しいコンセプトのNY初店舗に行ってきました

先日アメリカのメディアで、スターバックスがAmazon Goとコラボした新しい店舗の1号店をマンハッタンにオープンしたことがニュースになっていました。

こちらがその店舗。同じスターバックスだけれど、全く違います、と大きく書かれていました。

 

Amazonと言えば、元々はオンラインショッピングのサイトとして1994年に事業を開始し、その後もオンラインで一大帝国を築いたことは世界的にも知られていますが、いつの頃からか実店舗への興味をじわじわと増していることは、もしかしたら日本ではあまり知られていないかもしれません。

2015年にAmazon BooksというAmazon直営の本屋さんの1号店をお膝元シアトルでオープンしたことに続き、マンハッタンにその初店舗をオープン(Amazon Booksについては、こちらの記事をご参照ください)した2017年には、なんとアメリカで人気のスーパー、Whole Foodsまでをも買収。この時には全米中が大騒ぎになりました(生活の要であるスーパーはどんな逆境の中でも安定したビジネスです。コロナが起こることを見越していたかのような行動は少し恐ろしくもあります)。

その他、Amazon 4-starというAmazonのサイトで評価が高い商品ばかりを集めたお店を開いたり、パンデミックの間にはマンハッタンの都心部の居抜き物件にAmazon Goというコンビニのようなお店も続々と開いています。Amazon Goのお店には誰でも入れるわけではありません。お店の入り口に電車の改札のようなゲートがあり、Amazon Goのアプリをスキャンしないと入れないのです。お店の中には日用品やサンドイッチなどが並び、レベルの高い日本のコンビニと比べることはできませんが、小さなコンビニといった感じです。

マンハッタンで暮らしていると、街中でこうしたAmazon Goのお店の看板を見ることも少なくありません。お客さんで溢れているような光景は全く見ないのですが、Amazon Goのお店がじわじわと街中に増えているのは、最近の私の疑問の一つにもなっています。

一方スターバックスと言えば、誰もが知るコーヒーチェーン。そんなスタバもコロナの時には大打撃。特に在宅勤務者が増えて出勤前、そしてお昼後の休憩でのコーヒー需要が激減したため、多くの店舗は閑古鳥が鳴き、ついには閉鎖してしまった店舗も少なくありません。

そんなスターバックスとAmazon Goがコラボした初店舗がマンハッタンにオープンしたのは今月のこと。コラボと言っても手の込んだものではなくAmazon Goの店舗の入り口にスターバックスが併設されている、と言う表現が正しいかもしれません。

初店舗は、マンハッタンで人気のデパート、NY観光時に日本人も立ち寄ることが多いBloomingdalesのミッドタウンイーストの店舗から目と鼻の先。59丁目のLexington avenueとPark avenueの間にあります。

こちらがその店舗。手前の左側がスターバックス。そして奥がAmazon Go。Amazon Goのアプリをスキャンしないと、写真右の改札を通ってAmazon Goの店舗へと行くことはできません。

 

実際に行って驚いたのは、あまりお店らしくなかった、ということ。
このスタバは、アプリで注文してピックアップすること「のみ」としていることを売りとしています。
アプリでの事前決裁のためお財布を開かずに購入できること、また、待ち時間がないことがポイントのようですが、いつものスタバの店舗のような温かみはなく、商品をピックアップするカウンターが目立つ質素な雰囲気でした。
急いでいるビジネスマンをターゲットにしているのでしょうか。ただ、この店舗の立地からするとお客さんはビジネスマンばかりとは言い切れないように感じたので、なんとも不思議です。

このお店での購入にはアプリが必要であることを簡潔に説明するポスター。

Amazon Goとスターバックスがコラボすることにどのような相乗効果があるのかは私には分かりませんでしたが、今後このコンセプトの店舗を増やしていくようですので、きっと何か深い意図があるのでしょう。
アプリの利用者が増えるのは、その背後のビッグデータが入手できて企業にとってはまたとない情報。アプリがないと何も買えない、さらにはAmazon Goの店舗にいたっては入店することができないので、アプリの利用を促しているのかもしれません。
今後の展開を注視していきたいと思います。

最近空気が突然ぴんと張り詰めたような日も出てきました。昨日は少しだけですが初雪も観測。紅葉が見事な公園の中には、クリスマスツリーも。冬はもうすぐそこです。


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