今やアカウントを持っていない人が珍しくなりつつあるほど広まっているフェイスブックですが、アメリカでは、フェイスブックと並び、もしくは、ある意味それ以上に皆がアカウントを持っているウェブサイトがあります。
それは、LinkedIn(リンクドイン)。
仕事上でのつながりを可能とするソーシャルネットワークです。
フェイスブックがプライベートなものであるとすれば、リンクドインはパブリックなもので、自分の学歴や職歴をメインとして載せていて、いわば履歴書をインターネット上に公開しているような感じです。
日本では個人情報(特に学歴や職歴)は、聞かれてもなかなか話すことはないですし、よほど親しくならない限り、面と向かって聞くのもあまり一般的ではないかと思いますが、アメリカでは、何でもオープンなアメリカ人の気質もあるのか、学歴や職歴に関してみんな極めてオープンです。
例えば、同僚やクライアント先の人との話で、まだそれほど親しくない頃から、どこの大学へ行ったの?とか前職はどのようなことをしていたの?と聞くのは、決して失礼なことではありません!
リンクドインに公開するのは、履歴書用の写真と学歴、職歴だけなので、フェイスブックに載せているようなプライベートな写真等を見せるほどの親しい間柄でない仕事関係の人、ネットワーキングパーティーでたまたま知り合った人、もしくは全く知らない人とも情報を共有できるのが、リンクドインの利点です。
そして、驚くべきことに、アメリカではリンクドインは就職活動や転職活動にも大きな影響力を誇っています。
人材紹介会社や企業の人事担当者は、空いているポジションにふさわしい候補者を探すときに、かなりの割合でリンクドインを利用しています。
そのため、自分のリンクドインのプロフィールページを充実させると、そういった仕事の話をもらうことも可能となります。
私の友人でも、リンクドインで人事担当者からメールをもらったことがきっかけで、その会社に転職できた人がいます。
また、その逆で、リンクドインを通じて仕事の応募をしたり、自分が興味ある会社の人事担当者を探してメッセージを送ることも可能です。
また、リンクドインではゆるくオープンなつながりが可能なので、自分が興味ある人とリンクドインでつながることも可能です。
私は以前から、日米での文化の違い等を考慮しながら日系企業へのコンサルティングサービスを提供しているロシェル・カップさんのファンなのですが、本来であれば遠い存在であるロシェルさんとも、リンクドインでつながり、メールをしてみたら返事をもらうことができました。
日本と違い、終身雇用制という考え方は存在しないアメリカでは、一生に何度か転職するときがあるでしょう。そういった時のためにも、自分の仕事上の分野でネットワークを築いておくことは重要なのだと思います。
リンクドインが流行るという土壌があるかないかというのも、日米での面白い文化の違いだと思います。