久しぶりの投稿となってしまいました。その間にニューヨークはすっかり秋も本格化し、日々深まる家の前の街路樹の紅葉を見るのが楽しい時期となっています。
アッパーイーストのおしゃれなお花屋さんの店先はすっかり秋模様。
前回の投稿は実は引っ越しの荷造り中に行っていたのですが、その直後に引っ越しをして、その後すっかりブログから遠のいてしまっていました。
コロナをきっかけにリーマンショックの時以上に価格が下落していたニューヨークの不動産。しかし、パンデミック終焉の兆しと呼応して去年の夏を境に、価格は上昇を続け、今や市場空前と言われるほどの高さとなっています。
運よく昨年、パンデミック価格でマンハッタンのお気に入りのアパートに入居でき、契約更新も考えていたものの、大家さんが物件を売却することになったため立ち退きが必至と分かったのが、契約満了の4ヶ月ほど前のこと。その時には不動産価格は上昇を続ける最中で、頼れる不動産ブローカーさんにも、その予算では難しいです、、、とはっきり言われ、次に住む家を探すことが、私の最優先課題となりました(私がまだ住んでいるのに次のお客さんのための内見が行われるというアメリカの不思議な慣習については、こちらの記事をご覧ください)
NY好きの方の中には、NY在住のユーチューバー、kemioさんの動画を見ている方もいらっしゃるかもしれませんが、この動画のような状況が私にも現実に起こってもおかしくない状況だったのです。
Kemioさんはユーチューバーだけでなくモデルとしても世界を舞台に活躍中で、いざとなればホテル暮らしでもなんとかなるでしょう。でも、一般人の私にはそんなことはできません。今やニューヨークのホテルはどこも1泊数万円はするのです。
ニューヨークでは、通常のマンションのような物件を借りるのにも審査がある場合もあるため、日本のように即時契約というわけにはいきません。そうすると、遅くとも3ヶ月以内には新居が見つかっていなければいけないという状況。普通であればかなり焦りそうですが、13年もNYで暮らしていると、ちょっとやそっとのことで焦ることもなくなってきました。
メディアが異常な高騰を続ける不動産市場をこぞって報道する中、不動産ブローカーさんにも数人あたってみたものの全く手応えはなく、一時は八方塞がりのような状態になりました。ただ、その時に、普通のやり方では新居は見つからないだろうと判断し、普通ではないやり方、つまり、私の独自のやり方での物件探しに切り替えることにしました。
それは、「コネクション」です。
このブログでも度々触れてきましたが、アメリカでは良いコネクションを持っているということは、何にも代え難いほど価値があることなのです。それは、いわばその人が築いてきた財産だからです。
数ある友人知人の中で、直感的に家の情報を持っていそうな方3人に連絡してみました。
そして奇跡的に紹介いただいて出会ったのが、私の今の新居なのです。
私が大家さんを紹介いただいた時には、まだこの部屋には別の方が普通に住んでいました。しかし、諸事情により大家さんは契約を解消したかったようで、たまたまmonth-to-monthと呼ばれる月次更新の形態であったため、私の前の家の契約が切れる直前のタイミングで、その契約を更新せずに、私と1年契約を結んでくださったのです。
ここに至るまでにはこの記事には書ききれないほどのさまざまな出来事がありましたが、良い流れにはそのまま乗るのが私のポリシー。こんなにトントン拍子で決まった物件は、私が2014年から2019年まで暮らしたマンハッタンの物件以来。全ての奇跡に感謝するばかりです。
そして、なんと新居は私が渡米前から憧れていたブラウンストーン。Sex and the Cityで主人公のキャリーが住んでいたようなタウンハウスの中でも、茶色の砂からできた石で作られた建物は特別にこう呼ばれていて、ニューヨークでも数は多くありません。小さなお部屋ですが、キッチンは、私が10年以上も夢見ていたオープンキッチンのスタイルで、料理をしながらゲストたちと会話を楽しむことができるのです。
ドラマでキャリーがバタバタとタウンハウスから出てくる様子を覚えているSex and the Cityのファンも多いはず。まさに私もその一人で、いつもいいなぁ、と思いながら画面に釘付けになっていました。(c)theFILMTRIPPER
毎朝窓の外を楽しそうに眺めている愛猫の姿を見るのが至福の時間。引っ越した時にはみずみずしい色合いだった木々も今や黄色に。
追って、ブラウンストーンでの生活の様子や、引っ越しのトラブルから学んだアメリカの引っ越し術などもこちらでご紹介したいと思います。