先日、ある一通のメールをいただきました。
それは、私のブログを以前から読んでくださっているというNY在住の読者、ながこさんから。
なんと、本業の傍らでイベントの企画を行なっていて、彼女が友人たちと企画したおしゃれなパーティーにご招待くださったのです!
All White Summer Soireeと題されたパーティーは、その名の通り、ドレスコードは白いカクテルドレス。イベントを企画してくれたのは、UPSTAIRS at New York。イベントページからもおしゃれな様子が伝わってきます。
https://www.eventcreate.com/e/allwhite
今回初めて知ったのですが、All-White Partyのルーツは1988年のパリに遡るそうです。そのきっかけは、フランソワ・パスキエさんが、屋外でのパーティーに友人たちを招いた時に、お互いを見つけやすいように白い正装で来ることを伝え、招待された限定メンバーにだけ開催場所が知らされたことに端を発するそうです。
その後、そのアイディアは海を越え、NYへ。Wikipediaによると、NYでは2月、ちょうど雪で街が真っ白になっている時期に、地下のゲイディスコ、Flamingoという場所で、HIV/AIDSの研究資金を集めるためのパーティーとして開催されたのが、最初のAll-White Partyの始まりだそうです。
今でこそLBGTQの権利が高々と叫ばれる時代ですが、そんな動きはここ最近のこと。会社でカミングアウトして(英語では、隠れていたクローゼットから出てくるという表現を用いて、come out of the closetとも言います)、差別的扱いを受けたり、昇進にひびいたりといったことを恐れて、ひた隠しにしてきた人も昔はもっと多かったようです。そんなことから、地下のゲイディスコでパーティーが開かれたというのもなんだか納得。
インターネットで調べてみたところ、東京でも同様のパーティーが開かれているようです。
今回のイベントで久しぶりにやってきたダウンタウン。イーストリバー沿いに広大な土地が広がり、久しぶりにブルックリンブリッジも間近で見ることができました。
NYの夏はとても短いです。気温が上がり始めるのは5月末のメモリアルデーの頃から。そして、9月頭のレイバーデーを境に一気に秋へと突入します。夏を象徴する白を着るのはレイバーデーまで、とも言われているそうです。今回のパーティーは夏至を迎え、暦の上でも夏に突入したこの季節に思いっきり白いドレスを着て、この季節を楽しみましょう、というテーマで開催されました。また、社会へのアクションの意味合いも込められていて、立て続けに起こっている悲しい銃の事件への対応として、銃規制のために行動する団体へ売上の一部の寄付が行われることも事前にアナウンスされていました。
白いドレスの人たちが200人は集まっていたでしょうか。これだけ白だらけだとすごい存在感。写真の左から3人目の方が、今回お誘いくださったイベント企画者のながこさん。写真が趣味というながこさんのインスタグラムには綺麗なNYの景色が並んでいます。(c) Eric
前日にアナウンスされた会場は、マンハッタンの南東、イーストリバーに面したサウスストリートシーポートと呼ばれる商業施設の中にある川沿いのおしゃれなレストラン。ブルックリンブリッジが見渡せる絶景のもとで、楽しい夏の夕べを過ごしました。
開放的なパーティー会場。そしてかなり気温が上がったこの日は、パーティーに絶好のお天気。
ドリンクの会社がスポンサーになってくれていて、なんと無料でソフトドリンクが飲み放題というすごい特典も。(c) Eric
女性のために生まれたサプリメントドリンクのMixhers、地中海料理から触発された素材を使い、
始まった時は明るかった外も、陽が落ちるとこんなロマンチックな空間に。自分のアイフォンで適当に撮った写真でしたが、よく見ると、マンハッタンとブルックリンをつなぐ3本の橋が全部写っていました。手前から、観光客にも地元ニューヨーカーにも大人気のブルックリンブリッジ、そしてマンハッタンブリッジ、ウィリアムズバーグブリッジ。
会場では、その日初めて知り合った日本人女性2人組のテーブルに混じらせてもらいました。ヘアメイクアップのプロの方のお仕事話やたわいもない話で初対面とは思えないほど話が弾み、あっという間に夜は更けていきました。
パンデミックをきっかけに交友関係が狭まりつつある中、こうして外に出て行き新たな刺激を得ることやたまにドレスアップしてお出かけすることの楽しみを再認識した夜でした。
翌日のゲイパレードを控え、One World Trade Centerのタワーもレインボーカラー。
友人の遺品としていただいたもののパーティーに行く機会がなくクローゼットに眠らせている間に愛猫が引っ掻いて傷つけてしまった真っ白のドレスを、特に当てもないのになんとか自力で直したのが、パーティーにお誘いいただいた1週間前のこと。いつお披露目するか分からないまま、とりあえず直してみようと裁縫道具を引っ張り出してみたのですが、そんな思いが天に届いたのでしょうか。驚くような引き寄せで素敵な機会をいただきました。ながこさん、ありがとうございました。