NYから世界を考える

日本から見た中国人、NYから見た中国人

ここ5〜10年ぐらいの間に、日本人と中国人の関係は大きく変化したと思います。

私が渡米した8年ちょっと前は、都内でいうと、たまに皇居で中国人の観光バスを見かけるといった程度でしたが、今では、一時帰国のたびに、銀座の目抜き通りを占拠しているかのような中国人の団体さんや、洋服や家電を必死に買い漁っている中国人の観光客、そうした彼らを意識してどんどん増える免税店にただただ驚くばかりです。

そして、それだけではなく、ニューヨークで知り合った中国人との違いを目の当たりにするにつけ、考えさせられることが多いです。

窓際に佇む猫ちゃん。優雅で羨ましいです。

もちろん、日本にもそうでない中国人はたくさんいると思いますが、日本でよく目にする中国人は、観光地で見かけることが多い、行儀が良くなかったり、物欲が強かったり、マナーが守れない、といった方々だと思います。

それに対して、私がニューヨークで見る中国人は、大きく分けると、全く異なる2つのグループに分けられます。
1.中国で財をなした親からの多額の仕送りのもとで、語学学校(短期滞在ではなく、大学入学を目指してのステップアップのために通っているケースが多いです。)や大学、大学院に通っている子たち。今の20、30代の中国人は基本的に一人っ子なので、特にこうしたお金持ちの子弟は、わがままになりがちで、勉強も必死に行うわけではなく、ニューヨーク生活を謳歌。

2.中流もしくはそれ以下の家庭出身(中国の物価水準を考えると、中国で中流家庭といっても、日本の中流家庭よりはるかに貧しいです。)で、中国の価値観や生活スタイルに限界を感じ、猛勉強して自分の力でニューヨークで留学や就職。

面白いことに、ニューヨークにいる中国人は、この2つのグループのどちらかに必ずといってよいほど当てはまります。

見て明らかな通り、ニューヨークで成功していくのは後者のグループの子たちで、前者の子たちは、大学や大学院を卒業してニューヨークに残りたくても、仕事が見つけられず、母国へと帰っていきます。

私が語学学校や職場で出会って仲が良い中国人は皆後者のグループに属していて、私がアメリカの会社で米系だけでなく、日系企業向けの仕事をしていることもあって、そのほとんどの子たちが中国語、英語、日本語を自在に操るトリリンガルです。
そんな彼らは、日本に憧れて奨学金をもらって日本の大学(それも一流校)へ留学し、その後、ニューヨークで仕事を得て英語と日本語を使って仕事をしています。

その中でも、私が一番仲が良い子は、大学と大学院の6、7年間しか日本に住んでいないのに、日本語はほぼ完璧で、携帯で日本経済新聞まで購読しています。渡米までの半年間は日本の大手金融機関で日本人に混じって働いていましたが、彼女の部署で外国人採用第一号だったそうです。

こんな優秀な子なのでガリ勉ちゃんのような子をイメージするかもしれませんが、いたって普通で、彼女がアメリカの別の都市に引っ越してしまうまでは、週末に一緒にピラティスに行ったりお茶をしたり、時には彼女から、銀座ダイアナの靴のセール(年に2回海外発送が無料になる時があります。)のお知らせが届いたり、といった感じで、会社の後輩だった子ですが、今では親友であり良き相談相手です。

ついにオープン。ブライアントパークのスケートリンク。この光景を見ると、ホリデーシーズンの始まりを感じます。

彼らが自己研鑽に熱心なのは、もともと勉強家ということもあると思いますが、たぶん、一番の原動力は、中国に住みたくない、ということなんだということは、彼らと話しているとひしひしと感じます。
インターネットが発達し、これだけ世界との距離が近くなった今、一歩中国の外へ出て、自国との違いを知ってしまった彼らが、中国で暮らしていくのは、色々な意味で難しいのではないかと思います。

アメリカで残っていくために、必死にスキルアップをして頑張っている彼らを見ていると、なんとなくアメリカの大学を出て、運良くアメリカでの仕事が見つかって働いている日本人とのレベルの違いは歴然としています。

また、それ以外にも、私の中国人の友人たちを通して感じた日本人との違い、私が仲が良い中国人の子たちが皆持っているすばらしいことについて、次回はご紹介したいと思います。


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