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私が最近注目するスタートアップ企業

社会をより良くする新しいことに真剣に取り組む人が多いアメリカ。
実績がなくても面白いアイデアであれば認めてくれる土壌があるアメリカ。

そんなアメリカでは次々と新しいスタートアップが生まれていて、それはパンデミックの間も例外ではありません。
自宅で過ごす時間が増え、新しいビジネスアイデアを考える時間ができたからでしょうか。また、既存の会社員勤めに疑問を感じて、一歩踏み出した人も多いと聞きます。

今回は、最近NYでよく宣伝を見かけるようになり、私が実際に使って良かったあるアプリについてご紹介したいと思います。

その名は"Gorillas"
平均10分以内に日用品を届けてくれるサービスです。

(c) Gorillas website  颯爽と走るドライバー

 

調べてみると、2020年5月、まさにパンデミックが始まってすぐにドイツで設立された会社で、ヨーロッパでビジネスを拡大した後、NYには今年の春に上陸。特に夏ぐらいからよく広告や道端でのプロモーションを見かけるようになりました。

日本の多くの都市では、家から数分の徒歩圏内に24時間営業しているコンビニがあるので、こうしたサービスへの需要は欧米ほど多くないかもしれませんが、NYで暮らす人にとって画期的なサービスです。実際に2度利用して、その便利さを実感しています。

Gorillasはオンラインスーパーで、アプリで注文をするとなんと10分でその商品を自宅に届けてくれます。

アプリのトップページ。カテゴリー別に商品が検索できて便利。検索バーに直接購入したい商品を入力することもできます。

 

NYの場合、日本のようなコンビニはもちろんありませんので(DeliやBodegaと呼ばれる昔ながらの小さなスーパーはありますが、あちこちにあるわけではありません)、買い物し忘れたものがあってすぐに必要な時、外に出るのが面倒だけれど何かが急に必要な時にはどうすることもできませんでした。
そんな光景を一変させたのが、Gorillasなのです。

扱っている商品は、食品を中心に日用品(トイレットペーパーや歯磨き粉など)、そしてペットフードまで。
決してスーパーのような品数ではありませんが、生活に必要な基本的なものは一通り揃っています。

私は最近、大きなボトルの水が欲しかったのですが、自分で運ぶのも大変だったので、このサービスを利用したところ、本当に10分でドアの前に商品が届けられていてびっくり。

そして、会社のHPを見てみると、ただのデリバリーという枠を超えて、社会の問題を解決するために生まれたスタートアップであることを知りました。会社がミッションとして掲げていた多くの中から、ここでは、私が気になったものをご紹介したいと思います。

  • ローカルビジネスのサポート:これは特にここ数年NYでキーワードになっていると言っても過言ではありません。アマゾンの登場により、従来家族で誇りを持って行なってきた地域密着型のスモールビジネスは存続の危機に立たされています。Gorillasが扱う商品は、地元で生産されたもの。そのため、こうしたスモールビジネス、そして地域をサポートすることに繋がっています。
  • 食品ロスの解決:アメリカでは、週末にまとめ買いをする人も多くいます。そうすると、必要でないものもとりあえず買って無駄なものを廃棄することにも。また、常に新鮮なものが手に入るわけではありません。Gorillasのサービスでは、「その時」に必要なものを手に入れることができるので、こうした問題解決に繋がります。
  • 地球環境に優しい配達:従来であれば、スーパーへ車で買い物に行く人も多かったはずですが、Gorillasのデリバリーに使われるのは自転車。Gorillasを利用することで、大気汚染も減らすことができます。
  • 配達員への配慮:アメリカでは以前からレストランからの食べ物の配達が広く行われていますが、近年、配達員たちの劣悪な労働環境が社会問題となっています。Gorillasでは、配達員の自転車は全て電気自転車で、配達員にとっても負担が少なく、自転車に乗ることが楽しい体験となっているようです。
  • 土地の有効活用:Gorillasは小さな倉庫で商品を管理し、そこから配達を行なっています。お客さんが訪れるわけではないため、とても小さなスペースで足りるのです。従来のスーパーであれば、場所と駐車場で多くのスペースをとっていましたが、Gorillasが取って代わることで、そうしたスペースを別のことに有効活用することができます。

果物セクションはこのような感じです。アメリカのスーパーではまとめ売りの単位が大きいですが(例えばリンゴ15個セットなど)、Gorillasの良いところは、少量からでも購入できる点。上記の食品ロスの解決ともリンクします。必要な量を必要な時に購入できる素晴らしいシステム。

 

さらに驚いたのが、以前のこちらの記事とも関連しますが、カスタマーサービスの素晴らしさ。
初回の注文の時には、このような葉書きが同封されていて、なんと私が大好きなブルックリンのチョコレート、Fine & Rawのチョコレートが同封されていました。

"complimentary"は"free (無料)”と同義。よりオフィシャルな場面では、freeではなく、complimentaryという用語を用います。

 

GorillasはNYでどんどん配達地域を拡大していて、今やマンハッタンのほぼ全て、そしてブルックリンの主要地域もカバーするようになりました。
10分以内の配達なので、大都市でないとできないビジネスモデルと思いますが、益々拡大するGorillasのビジネスに今後も注目していきたいと思っています。


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