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ニューヨーク・小売&飲食業の挑戦

10月11日のコロンバスデーの祝日を境に、突然マンハッタンの街行く人の数が増えてきました。
オフィスへ復帰した人たちも多いのでしょうか。
観光客も多く見かけるようになり、これからのホリデーシーズンに向けてNYの街は華やいでいきそうです。

一時期は街から完全に消えていた屋台も今では復活。NYらしい光景です。

マンハッタンを代表する観光名所、エンパイアステートビルの展望台の前で係員に何かを尋ねている観光客。

 

パンデミックは何をもって終焉と言えるのか分かりませんが、一見かつてのようなパンデミックは終焉したと思っても、長引いたパンデミックの傷跡は大きく、マンハッタンを歩いていると、かつては多くの人で賑わっていたお店やホテルが廃墟となり、看板さえも取り外されてしまった光景を見かけて悲しい気持ちになることも多いです。

グランドセントラル駅から目と鼻の先、一等地にあったマリオットホテルはコロナで閉業。ホームレスや泥棒の侵入を防ぐための板張りが痛々しいです。

こちらはグランドセントラル駅の斜め前の目抜き通りという好立地ですが、テナントが軒並み退去してしまっていました。

 

驚くほどに家賃が高く、パンデミックを経てもその状況があまり変わらないマンハッタンでビジネスを営むことは、世界のどの都市でビジネスを行うことよりも難しいのかもしれません。
なんとかパンデミックを乗り切って営業を続けているお店も生き残りに必死で、最近、パンデミック以前には見られなかった現象を見かけるようになりました。今日は、そうした街の変化をお伝えしたいと思います。

以前からアメリカにはカスタマーサービスがない、なんてことがよく言われていましたが、日本のように手厚いカスタマーサービスがある国から来ると、日米の違いに驚くことは多かったです。

たとえば、アパレルのお店。日本では一歩でもお店に足を踏み入れたら店員さんが丁寧に挨拶をしてくれて、試着室でちょっと洋服を試してみると、「お客様、いかがでしょうか」と試着室の外で店員さんが待っていてくれる、なんていうことが日常茶飯事だと思います。店員さんが気にかけてくれるのはありがたい反面、ちょっと重荷に感じたことがある人も多いのではないでしょうか。

一方でニューヨークでは、お店に入って"Hi, how are you?"と店員さんが話しかけてくれたら、丁寧なお店だな、と感じるほど。ちょっと質問をしたいと思っても店員さんが近くにいないことも多いですし、試着にいたっては、専属の店員さんが待っていることもないので、気に入らなければ試着室の入り口に盗難防止のために立っている店員さんに洋服を返却すればそれで終わり。なんとも気楽です。

そんな状況に変化を感じたのは、最近、Bath & Body Worksというキャンドルやバス用品で有名なチェーン店に入った時のこと。
経費削減の一環でしょうか。以前は溢れるほどにいた店員さんが大幅に減少していましたが、入口のドアの真横に入ってきたお客さんを迎え入れる店員さんが一人張り付いていて、新作の香水のサンプルを配りながら丁寧に説明をしてくれました。
今までこんな光景は見たことがなかったので、大きな変化を感じました。
人間の心理は不思議で、1対1で話しかけてくれた店員さんがいると、何も買わずに退店するのにちょっと迷いが生じてしまいます。そんな心理を利用して、カスタマーサービスの強化に乗り出したようです。

また、まとめ売りの多用も。以前であれば、"Buy 2 Get 1 Free"というキャンペーン(2つ買うと追加で1つが無料でついてくるというキャンペーン)を行っていたBath & Body Worksですが、先日見かけたキャンペーンは、"Buy 3 Get 1 Free"。客単価をなんとかあげようとしている様子が伺えました。

こんなキャンペーンを見るようになったのはパンデミックになってから。

 

さらに、4個、6個とまとめて買うと安くなるというまとめ売りもあちこちで。

ボトルも可愛いので、プレゼントやお土産用にまとめ買いしたい人にはお得かも。

 

そして、もっとびっくりしたのは、10月後半にして既に店内の3分の1ぐらいがクリスマスの飾り付けになっていたことです。
ハロウィンそ1週間後に控えた時期だったので、ハロウィンの飾り付けの隣のスペースがクリスマス。
クリスマスツリーのオーナメントまで売り始めていました。

10月後半にいきなりクリスマスモードの店内。

 

コーヒーチェーンに見られる変化は、営業時間の短縮。
通勤客や観光客でごった返していたミッドタウンはまだまだ人が以前のように戻ってきていないようで、大手コーヒーチェーンは、営業時間を夕方早々に切り上げたり、週末を完全にお休みにしたり。
お店を開いていると、光熱費や人件費がかかるので、開いていることで得られる売上よりも、かかるコストが大きい状況なのでしょう。

逆境にも強いと思われるスタバですが、こちらの店舗は完全閉店。

 

復活の兆しと混在するパンデミックの余波。
たくましいニューヨーカーたちが奮闘する様子は、これからもこのブログを通じてお伝えしていけたらと思っています。


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