先週の金曜日、アメリカ人の同僚たちと3人でランチに行きました。
私を含め、全員つい最近入社したばかり。まだお互いのことをよく知らない状態です。
でも、アメリカ人は面白いことに、話題のハードルが日本人よりはるかに低くて、日本人であれば親しい仲になってもあまり積極的に話さないことを、割とよく知らない頃から話したりします。
そして、アメリカ人同僚たちの恋愛事情を色々聞きました。
(表紙の写真は、地下鉄をハイジャックしていたデートサイトの広告。)
2人ともニューヨーク生まれでニューヨーク育ち。と言ってもマンハッタンのような大都会ではなく、郊外出身です。
1人は、まだ23歳。カナダとの国境に近いニューヨークの北部出身で、地元のテレビ局勤務が激務で、最近、事務職のオファーをもらって私の会社にやって来ました。
もう1人は、30歳。一度住んでみたかったというサンフランシスコでの3年間の生活を終え、久しぶりのニューヨークライフを楽しんでいる様子。
30歳のAちゃんは、私の隣の席でいつもスナック菓子をつまんでいて、体型を気にするスリムなニューヨーカーが多い中では珍しく、割と太め。そんなこともあってか、性格もとても大らかでとても気さくです。
服装に気を配っている様子のないAちゃんが、その日はいつもよりおしゃれな格好をしていました。金曜日だし、どこかにお出かけするのかと思っていたところ、昔気に入っていてデートしていた人と久しぶりに再会するとのこと。
頭も良くてとてもいい人で、Aちゃんはその人のことを気に入っていて、学生時代にも一緒にいることを楽しんでいたようですが、今回久しぶりの再会で、どんな感じになるかしら、と話していました。
私ともう1人の子がそれは楽しみだねー!と盛り上がっていたのですが、実はさぁ、一つだけ躊躇することがあるの、というAちゃん。My only hesitation is.... と語り出した話は、その男性がトランプサポーターであるということ。
アメリカ人は政治談義が好きで、特に前回の選挙の時は職場でも友人同士でも候補者の話が繰り広げられていましたが、人によって意見が違うのが政治の世界。Aちゃんはそうしたことを気にして、友人たちの間でも政治の話題はいつも避けて来たそうです。
それが、数年前のある日のこと、その人の家に突然泊まることになって、Tシャツを借りようとして彼から差し出されたのが、"Make America Great Again"のTシャツだったと言うのです(笑)
テレビで見たことがある人も多いかもしれません。かなり悪趣味なグッズです。。。
"Make America Great Again"とは、トランプ氏の選挙キャンペーン中のスローガンとも言える標語です。アメリカが石炭や自動車産業で勢いがあった時代が終わり、多くの仕事が機械にとって変わられたり、優秀な移民たちが流入してきたことで、中下流の白人たちの仕事が奪われたことを危惧してトランプ氏が作ったこのキャッチフレーズは、現在は斜陽産業となってしまった産業をアメリカに再び呼び戻そうというものでした。
トランプサポーターたちは、その声に賛同し、選挙期間中には、"Make Great America Again"グッズを身につけたトランプ氏やそうしたグッズを買った多くのサポーターたちがテレビに写っていました。
アンチトランプのAちゃんは、気に入っていた男性からそんなTシャツを差し出されたものの、こんなもの着られない、と断って、寒いのを覚悟でタンクトップでその晩は過ごしたそうです。
人の考えは自由だけれど、そこまでトランプ崇拝されるのは問題だ、と話すAちゃんですが、2年後、トランプ氏が再選されなかった後に及んでまで、その人はトランプ信奉はしないだろうから、そう思えばあと2年の辛抱かな、とも思っていると言います。
そして、もう1人のまだ23歳のSちゃんは、マンハッタンに来てまだ2ヶ月ですが、デートアプリを使ったり、学生時代の友人でマンハッタンにいる人に連絡をとって、色々とデートを楽しんでいる様子。デートアプリですごく波長の合う人と出会って盛り上がっていたのに、三度目のデートの時に、「君に話しておかなければいけないことがある。」と突然告げられ、英語教師として海外で働くことに興味があるその男性は、仕事が見つかり次第アメリカを離れる予定であることを打ち明けられてがっかりしたそうです。でも、その後、高校時代に気に入っていた人と久しぶりに再会して楽しそうでした。
その一方で、来週末気になることがあるというSちゃん。数ヶ月前に別れた彼と、はるか前から予定していたロックバンドのコンサートが来週末に控えているそうです。
その当時は別れるとは思っていなかったので、チケットを買ったものの、こんなことになってしまって、というSちゃん。好きなバンドのコンサートで、やっとの思いで買ったチケットので、とりあえずは行くつもりだけど、どうしよう、と話していました。
アメリカ人はなんでもオープンに色々話をするので、聞いているだけで面白いです。
週明けの明日は、Aちゃんの金曜日のデート話で幕を明けそうです。