NYでドキドキの体験 NYで芸術を楽しむ

HIROMIがニューヨーカーを魅了した夜♪

記憶が薄れないうちに、この感動の夜のことを記しておかなければいけません。

それは、1月下旬の北風が肌に突き刺さるように冷たかったとある夜のこと。NYの中でも特におしゃれなエリアとして知られるSOHOの家賃が高騰した後に、多くの画廊がその場所を移し、それと同時に芸術の発信地としていまやSOHOと並ぶエリアに成長したチェルシーにあるHighline Ballroomというクラブでの出来事。

私が長年熱いファンとして応援している、天才ジャズピアニスト、上原ひろみ
(海外での名前はHIROMI)ちゃんのNY公演が、1日限定で行われました。

上原ひろみオフィシャルHPより

2003年にTBSの情熱大陸で初めて彼女の演奏を聴いて以来、その情熱的、そして超絶技巧の演奏のとりことなった私は、日本でのコンサートにも毎年足を運んでいました。

日本の他のアーティストと異なり、海外で先に名がひろまったひろみちゃん。

彼女が卒業した音楽大学の所在地、ボストンから有名になり、日本でのコンサートも行うようになった彼女ですが、その当時日本での知名度は低く、小さなクラブでのライブからのスタートでした。しかし、あっという間に多くのファンを獲得し、ここ数年はおよそ1ヶ月に及ぶ日本公演のチケットは、先行予約で完売、会場も各地の大コンサートホールで行われています。

17歳のときにジャズ界の巨匠チック・コリアにその才能を認められて共演経験のある彼女。

天性の感覚に、努力が加わり、世界を舞台に多くのファンをひきつけてきました。NYに住まいがありながら、年中世界各地で演奏をしていて、本拠地NYでの活動機会は年に数日しかありません。

同じツアーであったとしても、会場の規模、音響等様々な要素を考慮して、曲目や曲順も変えるという自身の演奏への徹底したこだわり。やはり、ジャズは小さなハコで全員が一体となって聞きたい、海外でのお客さんがどんな風に彼女の演奏を聞くのか知りたい、私の大好きな街NYでライブに行きたい、という思いは年々高まり、NYへ来たらぜひ実現したいことのトップは、彼女のコンサートへ行くことでした。

8時スタートだったので、7時に友達と会場で待ち合わせすると、なんと自由席であったため、1階席はほぼ満席でみんな既に食事を楽しんでいました。全員そろわないと席へ案内してくれないということで、入り口で友人を待っているうちに1階席は全て埋まり、2階席へ案内される人たちも。私たちも2階席へ案内されそうになったのですが、せっかくのコンサートだから、できる限り近くで見たいと思い、

「私、彼女の大ファンなんです。日本にいるときからずっと応援していました。友達が来るのをずっと待っていて遅くなっちゃったのですが、1階席でどこか空いてないでしょうか」とだめもとでアピールすると、

私が待っているのを見ていた他の店員さんも、「彼女、さっきからここで待っていたし、席ないかもう一度見てみてくれないかしら?」と味方になってくれて、本来4人席であるところに、2ついすを追加してもらうことができました。

無理して作ってもらった席なので、彼女を後ろから眺める形に

交渉の国アメリカ、とりあえずお願いしてみると意外と実現できたりするのです(自分がやりたいと思ったことはアピールしてみる、というのは、アメリカ生活を楽しくするために意外と重要な要素であることを、最近実感しています。これについては、またいずれ記事にしたいと思います)。

彼女の特徴でもある演奏時の豊かな表情が見えなかったのは残念ですが、超人的な指の動きはじっくり楽しめました。

今回のライブは、新作CD「PLACE TO BE」のツアー。

私がいる場所、というCDのタイトル通り、世界中を演奏旅行で渡り歩く彼女が見た、様々な都市での体験が、1曲1都市という構成で織り込まれています。

ピアノが大親友、という言葉通り、ピアノと自分の身体を最大限使った演奏。時には立ったり、一緒に歌ったり、ピアノの弦の間に棒を入れて、ピアノの音を変えてみたり。不思議なことに、写真や録画は完全に自由でした。

300人ぐらいであふれかえった会場は、日本人が1~2割、あとは地元ニューヨーカー。最後はスタンディングオベーションで、アンコールが始まるまで拍手が鳴り止みませんでした。

旦那様は有名デザイナーのミハラヤスヒロさん。彼がピアノの鍵盤をイメージしてデザインした個性的な衣装です

そして、アンコールは、私がライブのたびに楽しみにしていて、そして彼女の得意曲でもある「Tom and Jerry」。

ライブのたびに進化し、さらにアップテンポでビートの利いたこの曲で、私の感動の初ひろみちゃんライブin NYは幕を閉じました。


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