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世界一太っ腹女社長のサプライズギフト

先月後半、驚くべきニュースが全米中を駆け巡りました。

SPANXというアトランタを拠点とするストッキングやレギンスで知られる会社がおよそ1200億円でブラックストーンという世界を代表する投資銀行に買収されたのですが、それを祝って、創業者である女社長、Sara Blakelyは、500人の従業員全員にファーストクラスのペアチケットと$10000ドル(およそ110万円)を支給することを発表したのです!

アメリカに住んでいる女性であれば、SPANXのパッケージを見たことがない人はいないかもしれないぐらいに、SPANXはあちこちのデパートやお店で売られています。

(c) SPANX

今回の驚くべきボーナスがニュースになるまで、創業者のことは知りませんでしたが、Times誌で世界で影響力のある100人の経営者に選出されるなど、Saraはビジネスの世界で有名な方だったようです。

そんな彼女の経歴に興味を持って、この1週間、彼女のインタビューをたくさん聞いたのですが、彼女の考え方、生き方に大きな刺激を受けたので、このブログでもぜひ紹介したいと思います。

Saraはビジネスの知識が全くない状態で、当時持っていた貯金$5000(約55万円)を元手にSPANXを創業し、その後今に至るまで20年の間、外部からの借り入れなく、世界50ヶ国以上で展開する会社へと発展させました。

弁護士であったお父さんの影響を受けて自身も弁護士になることを目指してロースクールを受験したものの、2度失敗。自分は弁護士には合っていないと、ファックス機を戸別訪問して売る会社に就職。日々営業マンとして奮闘していたそうです。営業マンとして抜群の成績を残していたそうですが、ある日、この光景は「自分の映画(=人生)」の主人公としての光景でないと気づき、そこから彼女は動き出しました。

1人1人のお客さんに一つずつモノを売るのではなく、多くの女性たちに喜んでもらえる商品を展開し、より多くの女性たちを幸せにすることが自分のミッションだと強く思ったそうです。それから2年。男性が商品開発の中心だった世界で、パーティーに出かける白いパンツの下に履く心地よいストッキングがなかったことがきっかけで、おしゃれで履きやすいストッキングを開発。SPANXの誕生となりました。

元気はつらつ、そして美しいSara。(C) NPR

 

ファッションの世界での経験はなかったものの、情熱が彼女を動かし、電話帳で見つけた業者に片っ端から電話をかけ続けて、ようやく商品を製造してくれる業者を見つけて商品を開発。出来上がった商品の売りこみも電話で。高級デパートで知られるニーマンマーカスへも全くコネクションがない状態から電話で商品をアピールしてプレゼンをする機会にこぎつけて、商品を置いてもらえることに。
その後は、商品をおいてくれている全米中のデパートに開店前に出向き、商品売り場の売り子の方達に商品の魅力を自らプレゼンして営業トークを伝え、デパートでの売り上げを伸ばしていったそうです。デパートに商品を置かせてもらうのはただのきっかけにすぎず、そこで売上実績を作らなれば数ヶ月後には売れ残った商品が彼女の元に戻ってきてしまい2度と販売の機会はなくなってしまうため、必死だったそうです。

良い商品を世の中に出し、それをより多くの人に知ってもらう。そのことだけにただただ集中し駆け抜けた20年。

そして、55万円から始まった会社は1200億円という驚くほどの価値の会社へと成長しました。

多くの女性たちを幸せにするというミッションのもとで財団を作り、女性経営者の支援にも積極的なSaraですが、今回のブラックストーンへの会社の売却、という大きなマイルストーンを、会社を支えてくれた従業員たちに還元したいと、従業員全員にファーストクラスのペアチケットをプレゼントすることに。この素晴らしい瞬間を、従業員一人一人がそれぞれの方法でお祝いしてほしい、との気持ちから思いついたアイデアだそうです。そして、旅行先で良いホテルに泊まり、美味しいものを食べるのにはお金がいるからと、各従業員へ$10000ドル(約110万円)も合わせてプレゼントすることを発表。従業員たちを幸せの渦に包みました。

この驚くべき発表とお祝いの様子はSaraのインスタグラムからどうぞ。

 

そして、このニュースが全米中を駆け巡ったのです。

Saraのインタビューを聞けば聞くほど、目標を追い続ける彼女のひたむきで貪欲な姿勢、世界中の女性たちを幸せにしたいという大きな心に触れることができ、ただただ感動しています。

アメリカンドリームを体現したSara。アメリカンドリームを実現した人はアメリカにたくさんいますが、近年は会社が大きくなればなるほど経営者が富を蓄え、末端の従業員が酷使されているという話を多く聞きます。そのような状況の中で、Saraの行動は会社としてのあるべき姿を示していると同時に、Saraのような人がもっと多く出てくる社会になったら、と思います。

SPANXのHP
https://spanx.com/

表紙の写真:(c) The Guardian


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