NYに来て、早くも今月11日で二年半
ここにやって来たのが2009年8月11日だったので、私の中では「11日」は記念日になっていて、来た当初は毎月11日になると、「あっ、また1ヶ月が経過した!」なんて思っていたけれども、もはやNYでの月日はごくごく普通に流れていて、記念日の重みも薄れつつあります
英語は日本で思っていた以上に複雑な言語で、2年半経ってはっきり言えることは、日本でひそかに信じられている「2年ぐらい留学すれば、ネイティブのようになる。」というのは完全なる誤解であるということつい最近も、そんな話をこっちの日本人の友人としていたばかりです。
こんなことを言ったら、留学を志している人の夢を壊してしまうようで気がひけてしまうのですが、やはりひとつの言語を習得するということは、その言葉ができた背景も分からなければいけない場合もあるし、言葉が持つ細かいニュアンスというのは、習って覚えるというよりも日頃の生活の中で理屈よりも感覚で覚えるという部分も大きいし、微妙なニュアンスを表現したりするには語彙力や表現力が必要だし、そういったこともまで考えると、英語習得の道は今後もずっと続いていきそうですただ、学ぶことをやめてしまった時点で向上する道は絶たれてしまうので、毎日少しずつでも意識して暮らしていこうと思っています
いまだに思ったことがうまく言えない、そして完全に話が聞き取れなくて、もどかしい思いをすることばかり。でも、そんな不便なことが毎日続いていても、ここNYでの生活が私の中で普通のものとなっているのはなんとも不思議です。
とてもNYらしい光景。よーく目をこらしてこの写真を見てみてください。髪の毛の色と同色で分かりづらいのですが、頭にある被り物が。典型的なユダヤ人家族です。右側がお父さんで左3人が兄弟。敬虔度があまり高くないユダヤ人は被り物まではしないので、外見(顔)からでしか見分けられません。
NYが他の都市と大きく違うのは、人の入れ替わりが激しい街であるということ。夢を追って、仕事を求めて、自分が輝ける場を目指して、この街にやってくる人は毎日数えられないぐらいいることでしょうしかし、それと同じぐらいの数の人々が、何かを一区切りとして、また移民であればビザのことがきっかけとなり、この街を去っていっています。
NYにいる日本人の場合は、大学院や大学院の卒業のタイミングや途中での進路変更、社会人であれば駐在期間の満了、短期留学であれば語学学校修了と同時に日本へ帰ってしまうので、人の入れ替わりは本当にめまぐるしいです。そして、今月また私の友人が一人、日本へ帰国してしまいます。この2年半という短い間に15人ぐらいの友人たちが帰ってしまいました。また、アメリカ国内にいても色々な事情で別の都市へ移ってしまった友人も何人かいます。
もちろんどの場所にいても友達であることに変わりはなくても、この街に長期的に滞在する人(特に日本人)を見つけて友人になるのは至難の業です
私がNY移住を夢見て日本にいたときから愛読し、そして渡米前にアドバイスももらった私のお気に入りブログ、NY日記COLORS主宰者のSallyさんも、昨年帰国してしまいました。Sallyさんの考え方や生き方には共感する部分が多くて、いつも楽しくブログを読んでいただけに、一度も会ったことはないのですが彼女の突然の帰国、そしてブログの閉鎖はさみしい限りです。
NY日記COLORS
http://nycolors.exblog.jp/
文章力あふれるSallyさんがNY生活を独自の視点からつづったブログは、間違いなくNY1のブログだと思います。
そんなことを考えながら、Sallyさんの過去ブログを最初から読み返して、NYの街に溶け込んでいくSallyさんと、1ヶ月ごとに訪れる記念日を楽しみに過ごしていた2年半前の自分を重ね合わせて過ごす冬のNYです。