NYから世界を考える NYで働く

地球の裏側の仕事のパートナー

NYで暮らす醍醐味は、世界レベルの人たちと自然に知り合うことができることだと思います。

昨日から始まった国連総会。国連があるミッドタウンイーストは多くのNYPDの警官が出動し、物々しい雰囲気に。
この時期、国連の近くでは、見るからに聡明な世界中から集まった国連総会関係者を多く見かけ、国際色豊かなニューヨークがさらに国際的に感じられます。

 

日本は色々な意味で多様性に乏しく、民族的に見ても国民の多くが日本人ですし、また、多くの人が同じような考え方や生き方をしている国だと、渡米してから強く感じるようになりました。
それに対して、ダイナミックなニューヨーク。全てのことにおいて、振れ幅が大きいのがこの街の特徴で、それがこの街の面白さであると同時にこの街で暮らしていく難しさでもあります。
同じものを見ていても感じ方は人それぞれだし、物事へのアプローチの仕方も全然違います。
生まれた国も生活環境も教育水準も、全てが違う人たちが寄せ集まって暮らしているので、自然とそのようになっているのです。

12年のニューヨーク生活で世界の様々な国からの多くの人たちと知り合ったり仕事をしたりする機会がありましたが、ニューヨークだからこそ知り合うことができた優秀な人たちも多くいて、彼らのレベルの高さは日本をはるかに上回ってその度に驚くばかりです。

そんな人の一人が、一緒に仕事をしているムンバイ在住のインド人男性、Aさんです。

私の会社がAさんが勤める会社に業務委託をしていて、Aさんとその部下は、私たちが日々依頼する仕事を引き受けてくれています。
Aさんがすごいのは、頭の回転の早さに加えて、仕事への姿勢と責任感。

業務委託であるので頼んだ仕事だけをそつなくこなす、ということもできるにも関わらず、Aさんは、自らできることを提案してくれたり、業務効率改善につながる提案をしてくれることもしばしば。また、一つ一つの仕事を丁寧に、きちんと考えながら行ってくれているので、こちらの依頼に対しても、彼なりに気づいたことをシェアしてくれたり。

そして、こんなに責任感の強い人はいないというほどに働き者です。
インドとの時差は9時間半ありますが、いつ寝ているのかと思うほどにメールの返事も早く、急ぎの用事の時にはwhat's app(日本でいうLINEのようなアプリ)で電話やテキストメッセージを送ってくれます。

私はインドに行ったことがないのでインドの事情が分からないですが、いまだにカースト制度がある封建的な国で、貧富の差もすごいと聞きます。Aさんは留学したこともないのに英語も流暢で仕事上の知識も豊富なので、どのようにして勉強したのか聞いたところ、インドの大学での授業が全部英語だったようで、仕事上の知識は特別に学校へ行ったわけではなく、仕事をしながら自分で学んだそうです。

一度も会ったことはないですが、こんなに優秀な人と出会えたのは、私がニューヨークにいるからだと思います。

そんなAさんとは仕事を通じてお互いに信頼関係を築きましたが、もう一つ、Aさんと私たちのチームの絆を強固にした出来事がありました。
それは、数ヶ月前のインドの洪水の時のことです。
Aさんがどのような家に住んでいるのか分からないのですが、洪水で数日間電気もなくなり、飲み水の値段が高騰して買うのも困難な状況に陥ってしまっていたようです。それを聞いて、私たちが少しずつ寄付をして数百ドルのお金を送ったことがあるのですが(Aさんが勤める会社に搾取されないように、AさんとAさんの部下に直接送金しました)、その時のことにいまだに感謝してくれていて、もともと強固だった私たちの絆はさらに深まりました。

いまだに一度も会ったことがないのが不思議な感じですが、数年後にムンバイで会うことができたらいいなと、その日を楽しみにしています。

国連総会へ向かう関係者たち。真ん中に映る黒い帽子に三つ編みの男性は、どこかの国の有名人でしょうか。カメラがしきりに追いかけていたので、私も急いで写真を撮ってみました。

 

NYにいるからこそ実感できる世界の広さ。そして才能あふれる世界レベルの人たちとの出会い。
私はNYが世界で一番魅力的な都市だと思っていますが、私を惹きつけるNYの魅力は、こうした想像を超える体験ができることにあるのです。


+8

-NYから世界を考える, NYで働く

© 2024 NYに恋して☆