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夏の終わりの風物詩・US Openテニスの楽しみ方

今週月曜日、待ちに待った全米オープンテニスが開幕しました!

このイベントは、本格的にテニスをプレーしたり、テニスの試合を見たりするようなコアのテニスファンでない人たちでも大いに楽しめる年に一度の祭典です。私は渡米してまだ1、2年の頃に当時勤めていた会社の仲間と試合観戦に行って以来、すっかりその虜になりました。そこには、テレビで見るのとは全然違う世界が広がっているのです。

NYはその土地柄、さまざまなイベントが年間を通じて開催されていますが、こんなにも何度訪れても飽きない全米オープンテニスの魅力は、会場の雰囲気もさることながら、人生を賭けてこの大舞台へとやって来た選手たちの人間ドラマがあるからではないかと思います。

今回は、NYに住んでいるのなら、また、この時期旅行でNYを訪れているのなら、絶対に外せない全米オープンテニス。その楽しみ方を私なりにまとめてみました。

有名選手のプレーを観戦
テニスの4大大会の一つである全米オープンテニスは、年間を通じて4大大会の中で一番最後に行われる大会です。そのため、選手たちにとっては、この1年の集大成の意味合いも大きいことでしょう。大会はトーナメント形式。どんなに有名選手であっても、1回戦から着々と勝ち上がっていかなければいけません。そのため、大会初日からニュースで名前を耳にするようなシード選手たちも登場します。
会場にある屋根付きの大きなスタジアムはArther Ash StadiumとLouis Armstrong Stadiumの2つ。より多くの観客が楽しめるようにと、有名選手たちの試合は、この2つの会場で行われることが多いです。スタジアムが広い分、少しコートから離れた席になってしまうかもしれませんが、それでも、選手たちの熱気が観客席にまで伝わって来るような迫力が感じられるのは現地ならではです。

こちらは初日のArthur Ashe Stadium。手前は女子シングルス世界ランク1位のIga Swiatek選手(ポーランド)。正確でパワフルなプレーに驚くばかりでした。

手が届くような距離で選手の息遣いも感じながらの観戦
前述した2つの大きなスタジアム以外は、屋外のコート。胸の高さぐらいの敷居はあるものの、そのすぐ横や後ろに並ぶベンチは、選手と同じ目線で試合を体感できる絶好の場所。大会が始まったばかりの段階では、大きなスタジアムでプレーする選手は日程的にも限られて来るため、かなりの有名選手でも屋外コートでの試合となります。あまりに力を入れてボールを打つあまりに選手から漏れる掛け声や、試合中の独り言も聞こえるような距離感です。そして、勝ってご機嫌の選手はコート脇でセルフィーやサインにも応じてくれるので、こうしたことを楽しみに待っているファンも多くいます。

溢れんばかりのファンが押しかけたこのコートは、世界ランク4位のRene(スイス)とCarballes(スペイン)のカード。Reneを破る大金星をあげて喜ぶCarballes。

初日は日本代表の綿貫選手も善戦。惜しくも敗れてしまったのが残念でなりません。

グラウンドコートの出入り口は一般客も関係者も同じ。触れられるぐらいの距離で選手を見かけることも。試合後に私の近くを足早に歩いて行った綿貫選手。初出場で目指していた初勝利ならず、相当なショックだったのでしょう。声もかけられないぐらいの早さでしたが、「綿貫さん、お疲れ様です」というと小さく会釈してくれました。

全米オープンテニスの名物カクテルを堪能
全米オープンテニスを代表する飲み物といえば、こちら、Honey Deuce。ウォッカとレモネード、ラズベリーリキュールを混ぜた爽やかな色合いにテニスボールを形どったおしゃれな色合い。2006年から全米オープンテニスのオフィシャルカクテルとなったようです。あまりの人気から、今年はなんと缶のバージョンも登場して、大会期間中、NY市内であれば配達してくれるそうです。

(c) Grey Goose

スポンサーのブースをチェック
毎回会場に行くたびに思うのですが、このイベントの経済効果は計り知れないことでしょう。毎日数万人単位の人たちが押し寄せ、そして、イベント価格で強気な値段設定でありながら、ご飯を楽しんだり、さまざまなグッズを買って行ったりしています。スポンサーもハイネケン、シェブロー、エミレーツ航空、アメックスなどなど、名だたる企業です。そして、こうした企業はそれぞれ独自のブースを出して会場内を盛り上げています。

私がこのイベントが好きな理由は、会場の雰囲気もさることながら、礼儀正しい応援スタイルにもあるかもしれません。自分が応援している選手の対戦相手からでも良いプレーが出れば、拍手をしてそのプレーに敬意を表する。そんなことが行われているのが、テニスの会場なのです。また、数えきれないほどの数がいるスタッフたちも、選手たちが試合に集中できるように、観客席をしっかりと監視していて、プレー中に通路に立っている人がいたら近くの席に座るように促したり、といったことも徹底しています。

今年の大会は9月10日まで。数ヶ月前に発売が開始したチケットは、公式サイトでさえ、大会が近づくにつれてどんどん値上がりしてしまうのが難点ですが、それを上回る何かがあると思います。私はオープン初日に観戦に行きましたが、もっと見たい衝動に駆られて、明日の3回戦も見に行ってきます。初日に熱戦を繰り広げていたオーストラリア代表のHijikata選手(両親は日本人ですが本人はオーストラリアで生まれ育ったため、オーストラリア代表として出場しています)が、なんと昨日強豪選手を破って3回戦に進出したので、明日はまた生のHijikata選手が見られるのが楽しみです。トーナメント形式のため、その日の朝にならないと対戦スケジュールが分からないのもこの大会の醍醐味です。明日は他にどんな選手のプレーが見られるでしょうか。

こちらが1回戦の時のHijikata選手。初戦は4セットのうち3セットがタイブレークにもつれこむ接戦でした。

試合後、サインや写真撮影に応じるHijikata選手。子供たちは会場で売っているこの巨大なテニスボールを持って前列で試合を観戦し、試合終了後に勝利選手からサインをもらうのが、全米オープンテニスではお馴染みの光景。

会場入ってすぐのところにある巨大なトーナメント表。1日の終わりにその日の試合結果が更新されていきます。

☆会場への行き方☆
マンハッタンまたはクイーンズから7番線でFluching行きの終点の1つ手前が最寄駅。そこから会場までは歩いて5分強です。
もしくは、マンハッタンのPenn Station駅からロングアイランド鉄道で2駅。電車のスケジュールが合えば、こちらの方が早いかもしれません。駅もより会場に近いです。


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