NYから世界を考える

日本のお隣の国で起こる英語ブーム

留学生の多国籍度は、間違いなく世界の都市の中でNo1といえるNY。

世界中から英語を学ぼうと集まってくる留学生の国籍は、面白いことに、現在の世界の国々の国力をも表しています。

NYでよく出会うのは、韓国人、カザフスタン人、中国人。

学校の先生は、この3カ国に加えて、いまは中南米の国々(ブラジル、コロンビア)も熱い!と話していました。

一方、日本人は残念ながら多数派ではありません。

バブル期には、クラスの8割が日本人だったという私の学校は、いまでは日本人を見かけることはほとんどありません。こんなことからも、日本の国力の低下を実感させられて寂しい気持ちになります。

 

今日は、今熱い国々の中から、お隣韓国の事情を考えたいと思います。

その理由はたった一つ「熾烈な競争社会」。

日本に追いつき追い越せと切磋琢磨している韓国では、異様ともいえる競争社会が繰り広げられています。

受験戦争が激しいことでは日本とは同じといえるかもしれませんが、その過激さ、そして、日本を越えて、もっと世界にも目が向けられていことの2点は、日本との大きな違いだと思います。

大学受験で英語は必須。

大学時代は、激しい就職戦線に備えた準備期間。

大学時代が一種の「余暇期間」となっている日本と違って、韓国では大学3年時から本格的な就職活動に向けた準備がスタート(韓国人男性は大学2年生を終えると通常兵役に呼ばれるため、それまでの2年間は開放された日々を楽しむようです。韓国兵役の実態は、こちらからどうぞ)

就職活動で重視されるのは、大学の成績、サークル活動やボランティア活動、英語力

大学で良い成績をとるために、1度成績が悪かった科目を取り直すこともあるため、大学4年生になっても忙しい日々のようです。

そして、大学の成績もクリアして行き着く先は「英語力」。

就職に有利になるようにと、多くの韓国人は大学時代に短期海外留学をするようです。

もっと裕福な家庭になると、アメリカでの学位があったほうがさらに有利、と考えて本格的な留学という選択に至ります。

めでたく良い企業に就職できてからも、競争社会は続きます。

韓国企業は、かつては日本企業を目標としてきましたが、いま向いているのはアジアを越えた世界市場。

そのため、会社へ入ってからも、英語力は昇進を左右するほどの重要要素。営業マンに限らず、技術者のような職種でも英語力は同じように要求されるようです。

そのため、英語力強化の社内プログラムも充実していて、誰もが認める韓国ナンバー1企業であるサムソンからの会社派遣でやってきた私の友人は、なんと1年間も会社負担でNYに滞在できるようです。

また、サムソンでは他にもMBA留学プログラムも用意されています。

そんなことから、NYには韓国人があふれています。

日本人街がイーストビレッジと呼ばれる移民街のごく一部にしかないのに対して、コリアンタウンはマンハッタンの中心32丁目の5番街と6番街という好立地に位置し、そのエリアは徐々に拡大していることからも、韓国の勢いを感じます。

次回は、韓国の受験戦争の激しさを示す衝撃の韓国高校生の日常生活を紹介したいと思います。


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